2016.04.27 14:30

高知県安田町出身の一家が名古屋で「よさこい夢まつり」10年

GW恒例行事 「誰もが参加」目標に
「第10回よさこい夢まつり」のポスターを掲げる竹村綾野さん(愛知県豊山町)
「第10回よさこい夢まつり」のポスターを掲げる竹村綾野さん(愛知県豊山町)

 5月3~5日、名古屋市の名古屋港ガーデンふ頭を主会場に開かれる「よさこい夢まつり」が10年目を迎える。名古屋市熱田区で土佐料理店を営む高知県安芸郡安田町出身の竹村晟砢(あきら)さん(故人)、妻の泰美(ひろみ)さん(52)、長女の綾野さん(32)の一家が「誰もが参加できる祭りを」と2007年にスタートさせた。実行委員長を務める綾野さんは「よさこいには人と人をつなぐ力があり、多くの人に助けられて10年目を迎えられた。本場高知のような踊り子と観客が一体になって楽しむ祭りが目標」と目を輝かせた。

 「よさこい夢まつり」は2005年ごろ、全国によさこい祭りが広がる中で、各地のよさこい関係者から「祭りに出たいが参加費が捻出できない」「障害者や高齢者チームは参加しづらい」との声を聞いた晟砢さんが一念発起。「みんなが参加できるよさこいを」と実行委員会を立ち上げ、一家が事務局になった。

 祭りの基本方針は、チーム参加費は無料▽個人や団体、企業の協賛で運営▽競演場は時間指定を設けず先着順▽連休の取れるGWに開催―で2007年、熱田神宮周辺にパレード会場を五つ設置して第1回が開かれた。毎回、30~50チーム千~1500人の踊り子が集まり、今回は約50チーム1600人、高知県からも2チームが参加する。

 「よさこい一家」誕生のきっかけは1999年。中学卒業とともに関西で働き始め、72年に名古屋市に移り土佐料理店「龍馬」を開いた晟砢さんはよさこいと無縁だったが、一家で帰省した際、高知市にあったレストランで見た鳴子踊りに、当時高校1年生だった綾野さんが衝撃を受けた。「エネルギーに圧倒されて、私もよさこいやる!!って」

 綾野さんは今で言う“よさこい移住”のはしりで、高校卒業後の3年間は高知市に暮らし、早朝からホテルで働き、祭り本番になると人気チームで踊った。情熱的な長女を夫妻は応援するようになり、全国のよさこい祭りを見て回った。

 綾野さんが2004年に名古屋市に戻ると、一家はよさこいを通じた地域振興や青少年育成を掲げたNPO法人「よさこい塾・龍馬隊」を設立。地元の子に踊りを教える中で「うつむいて口数の少ない子が明るくなった」と綾野さん。「誰もが参加できる大会を」という晟砢さんの思いは、「よさこいには特別な力がある」という一家の信念から生まれた。

 祭りの開催に向けていつも先頭で走り続けた晟砢さんは、第6回の終わった2012年6月、肝臓がんで亡くなった。「予算も行政の補助もなく、お父さんの勢いで動いていたような手作りの祭り。これからどうなるかと思った」と綾野さんは振り返るが、その後も「よさこい夢まつり」は変わらぬ手作りで続いた。

 泰美さん、綾野さんが声をそろえる。「多くの企業や団体、個人の協力に支えられて開催できている。よさこいが結んでくれた縁と力のおかげ。これからも精いっぱい続けたい。高知からもぜひ見に来て、参加していってほしい」

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カテゴリー: よさこい祭り文化・芸能文化


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