2018.04.24 08:30

高知県香美市でこだわりビール Iターン男性が県内初の醸造所

完成した3種類のビールと瀬戸口信弥さん (香美市土佐山田栄町)
完成した3種類のビールと瀬戸口信弥さん (香美市土佐山田栄町)
 高知県香美市へIターンした男性がこのほど、県内唯一となるビール醸造所を市内に開設した。大阪市出身の瀬戸口信弥さん(31)。外国産のモルトやホップ数種に、アクセントとして地元米やユズ、ブンタン、サンショウを使った3種類のビールで、「高知が誇る一品にしたい」との思いで「TOSACO(トサコ)」と名付けた。27日から香美市内のスーパーで販売する。
 
地ビール「TOSACO」のお披露目パーティーで乾杯する参加者(23日午後、香美市土佐山田町西本町1丁目のふらっと中町)
地ビール「TOSACO」のお披露目パーティーで乾杯する参加者(23日午後、香美市土佐山田町西本町1丁目のふらっと中町)
ここにしかない一杯を ユズ、ブンタン、米活用
 ここにしかない一杯を―。香美市にIターンした瀬戸口信弥さん(31)が開設したビール醸造所は「高知カンパーニュブルワリー」(同市土佐山田町栄町)。アクセントにユズ、ブンタン、米などを使ったビール3種類は「スッキリと飲みやすい」「香り高く、コクと苦味が爽快」と専門家にも好評だ。
 
砕いたモルトなどを120リットルの水でゆでる瀬戸口信弥さん(香美市土佐山田町栄町の「高知カンパーニュブルワリー」)
砕いたモルトなどを120リットルの水でゆでる瀬戸口信弥さん(香美市土佐山田町栄町の「高知カンパーニュブルワリー」)
 瀬戸口さんは関西の大学と大学院でバイオ科学を研究し、光通信やセンサーを扱う大阪市の会社に就職。学生時代は理系一筋で「気になったら、とことん追求する癖が付いた」と振り返る。
 
 就職後、家庭菜園を通して「食に向き合いたい」と考えるようになり、3年前、大好きだったビールの「とことん追求」が始まった。会社の休みに全国の醸造所を訪ね、個性あふれる地ビールの研究を重ねた。
 
 「世界に一つだけのビール造ったる」と、島根県の醸造所に頻繁に通い、親戚がいた高知県での開業を決意。県が主催するビジネスプランコンテストで優秀賞を獲得するなど知識を深めた。今年1月に酒造免許を取得し、3月に香美市に移住した。
 
 起業へ奔走していた際、いい出会いに恵まれた。同市でスーパー「バリュー」を経営する土佐山田ショッピングセンターの石川靖社長(49)が「製造法や経営計画が緻密で説得力があった」と、同社の空き工場を格安で貸し、販売支援も買って出た。
 
 この工場で瀬戸口さんは、自作の装置でモルトを砕いて鍋で煮た後、発酵や熟成させる工程をほぼ一人で行う。冬場から毎月約1キロリットルを仕込み、完成まで約3週間。まずは「バリュー」3店舗で27日から販売する。1本330ミリリットルで540円(税込み)。
 
 23日は香美市内でお披露目のパーティーが開かれた。瀬戸口さんは地域の農作物を副原料に、個性的な商品を開発中で「売れるもんを作って、しっかり地域に還元せなあかん」と力を込めていた。(竹内将史)

カテゴリー: 主要社会香長


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