2016.04.24 08:34

小社会 島根県出身の陶芸家・河井寛次郎に、出雲地方で…

 島根県出身の陶芸家・河井寛次郎に、出雲地方で「ぽてぽて茶」と呼ばれた昔の風習を描いた随筆がある。冬、炬燵(こたつ)を人々が囲み、たぎらせた茶を入れた茶わんに、少しのご飯、煮豆や漬物などのお菜を載せて味わう。

 「女同士ならば漬物話や味噌(みそ)話をきっかけに、男が混じれば一層明るく炬燵話は尽きなかった」。暗く厳しい山陰の冬を乗り切る暮らしの知恵。「ぽてぽて」は茶を泡立てるときに出る擬音らしいが、いかにも和み癒やされる語感がある。

 「雪がちらちらし出すと、待っていたとばかりにぽてぽて茶が始まった」ともある。長い冬ごもりの中で、何げない日常の一こまも楽しみに変えることができる。とするなら、熊本地震で避難を続けている被災者にこそ、こんなひとときが必要ではないか。

 2度も震度7の揺れに襲われた記憶、余震への恐怖、不自由な避難所や車中での暮らし…。緊張の連続で、心が折れそうになり、うつむきがちになって当然だ。だがそんな気持ちとちょっと離れ、ほっと一息つく時間がないと、過酷な避難生活は身が持つまい。

 被災者同士で茶飲み話に花を咲かせるのもいい。遠慮しがちな、笑いを誘う話題でも、苦しい時だからこそユーモアがいい薬になることもある。子どもの笑顔も加わればなおさらだ。

 異常な環境下で人は、何の変哲もない普段の生活が恋しくなるという。一つでも多くの「ぽてぽて」が広がればいい。


4月24日のこよみ。
旧暦の3月18日に当たります。 ひのえ ね 七赤 友引。
日の出は5時25分、日の入りは18時44分。
月の出は20時31分、月の入りは6時42分、月齢は16.7です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で0時54分、潮位55センチと、13時09分、潮位14センチです。
満潮は6時42分、潮位171センチと、19時39分、潮位168センチです。

4月25日のこよみ。
旧暦の3月19日に当たります。ひのと うし 八白 先負。
日の出は5時24分、日の入りは18時44分。
月の出は21時23分、月の入りは7時21分、月齢は17.7です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時23分、潮位61センチと、13時40分、潮位15センチです。
満潮は7時08分、潮位168センチと、20時14分、潮位163センチです。
カテゴリー: 小社会コラム


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