2018.03.30 14:30

話題 あの手この手

 一般消費者を直接対象としない、県内企業の広告をメディアで見掛けるようになった。PRするのは個別の商品や店舗ではなく、企業イメージそのものだ。
 
 採用活動の真っ最中。販売促進より、人材の確保が狙いではないか。「年々、厳しくなっている」「まさに異常事態」。拍車のかかる売り手市場に、来春の採用計画を聞いた人事担当者は、どこもため息混じりだった。
 
 県内の中核企業でさえ「知名度がないから」と語る。そんな危機感の表れが、広告になったのだろう。
 
 ほかにも人事部門の人員や予算を増強したり、社員が大学で授業を受け持ち、学生に技術力をアピールしたり。あの手この手と各社が工夫を凝らす中、政府が旗を振る働き方改革も一つの潮流になっている。
 
 若者の採用や育成に積極的な企業を対象とする厚生労働省の「ユースエール」制度で、ミロク製作所(南国市)が認定された。経済産業省も今年2月、従業員の健康を重視する企業として、県内4社を選んでいる。
 
 ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)や、健康への配慮は継続してこそ。地味になりがちな取り組みへの公的なお墨付きは、就職先に悩む学生にとっても、一定の指標にはなるだろう。
 
 人事担当者によると「学生のブラック企業に対する警戒感はかなり強い」という。
 
 これから羽ばたこうとする若者が、夢とともに不安を抱えなければならない現実。「甘やかせ改革」との揶揄(やゆ)も聞こえる働き方改革だが、この社会が目指すべき方向であることは間違いない。(三浦真裕)

カテゴリー: 話題コラム


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