2018.03.03 08:32

3/4高知で「南国土佐皿鉢祭」 文化守り半世紀 土佐の味を豪快に

 料理人たちが技術の粋を集めた皿鉢料理が並ぶ「南国土佐皿鉢祭」が50回目を迎える。今年は4日、高知市の大橋通商店街に、土佐の食の魅力を盛った豪快な“作品”が並ぶ。「おきゃく」に不可欠な郷土料理の魅力をご堪能あれ。

 皿鉢祭は、県内の飲食店や宿泊施設などでつくる実施運営委員会が主催。皿鉢料理の名声を高め、料理人の研さんの場にしようと1969年に始まった。

1978年に開かれた第10回南国土佐皿鉢祭(高知市のとでん西武)
 当初は土電会館(後のとでん西武、高知西武)と高知大丸の2デパートで交互に開いていた。1996~2005年は中央公園で、2006年からは大橋通商店街が会場となった。デパート時代は2日間の日程だったが、料理が傷んで臭いが出たり、料理の差し替えが大変だったりで、1日開催になったらしい。

2016年の皿鉢祭
 時代によって皿鉢も変化。「最近、果物や野菜を彫り込む店が多いかも」「3年前の作品の写真を見るとちょっと古い感じがする」と料理人たち。生(刺し身)、すし、それ以外の焼き物やデザートなどを盛った「組み物」は別々に盛るのが基本だが、「最近は一緒に盛りつけたものが増えている」という。ライバルの良作に刺激を受け、異なるアイデアや技術を柔軟に学び、高知の食文化は発展してきた。

 高知市南久万のRKC調理製菓専門学校は、生徒の技術向上と郷土料理の歴史発信のため、毎年江戸時代の皿鉢を再現している。三谷英子校長(70)は「江戸時代から続き、料理人らの努力で発展した郷土料理の歴史を知ってもらいたい」。そして「皿鉢料理は全てが詰まった、究極の料理。よさこいと一緒で、地域や時代で中身が変わっても、皿鉢は皿鉢。なくしてはいけない高知の財産です」と話す。

 しかし、伝統の皿鉢に陰りが見え始めているのも事実だ。皿鉢祭の出品者は1970年代の約70から40弱にまで減少。核家族化の進行で、皿鉢料理を囲む家が少なくなり、景気の冷え込みで仕出屋も減った。近年、「皿鉢料理を食べたことがない」という若い世代も増えているという。

 毎年出品している城西館(高知市上町2丁目)の藤本正孝社長(64)は「料理人の労力や費用の負担も大きいし、皿鉢料理の技術も継承が大変」と苦笑い。それでも「土佐独特の文化を残していきたい」と熱く語った。  (森田千尋)

カテゴリー: 主要社会

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