2018.02.16 08:25

高知龍馬マラソンのゲスト瀬古利彦さん「自分に勝ってゴールを」

「大学生が冬場に鍛えられるよう登竜門の大会になれたら」と話す瀬古利彦さん(東京・渋谷)
「大学生が冬場に鍛えられるよう登竜門の大会になれたら」と話す瀬古利彦さん(東京・渋谷)
 日本長距離界やマラソンブームを引っ張ってきた瀬古利彦さんが、18日に行われる「高知龍馬マラソン2018」に、ゲストとしてセレモニーなどに参加する。日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーを務める瀬古さんに、今年の大会やマラソンについて語ってもらった。

 龍馬マラソンは1万人を超えました。すごいことです。市民マラソンが広がるのはうれしいですよ。マラソンへの理解が深まりますので。僕が若い頃なんて、道路を走る練習中、警察に通報されたことが何回もありましたからね。

 マラソンは1人でできるのがいい。自分が走りたい時に走れる。途中でやめてもいいし、いけるならもっといってもいい。自由自在なところが受け入れられてきているのかな。

 わざわざお金を払って42(・195)キロも走るの?と言われたりする。でも、自分にこんな力があるということを発見できる。「俺ってこんな力があったんだ」と自分を褒めたくなる。普段の生活ではなかなかないでしょう。タイムに関係なく、最後はみんな晴れやかな顔で「自分に勝った」。これがマラソンですよ。

 龍馬マラソンのコースはあまり詳しく分からないけど、すごく大きな橋(浦戸大橋)がありますよね。きつい上り坂は、下を見ながら腕を振って走ること。箱根駅伝で「山の神」と呼ばれた神野大地君(青学大―コニカミノルタ)をイメージしてみては。

 それと初心者はオーバーペースにならないこと。楽しいし、興奮状態だから、周囲につられてしまう。でも自分のペースを分からずに走るのは危険。自分の目標タイムから計算して、1キロ何分とか3キロ何分とかを目安に走ってください。

 龍馬マラソンはタイムが出にくく、他にもいろいろな大会がある時期なので、トップ選手を呼ぶのはなかなか厳しい。例えば、海外などの大きな大会と提携して、優勝したら招待できる枠を設けるなどしないと、好記録を狙うような選手は来てくれない。それなら市民マラソンに特化してもいいだろうし、大学生を招待して新人の登竜門みたいな大会にしても面白いんじゃないかな。

 箱根駅伝が終わった大学生は「どっこいしょ。あー、もういいわ」となっちゃう。大きな目標を達成した、ということで。でもフルマラソンの大会という目標があれば、準備をしっかりしないと怖いから、絶対冬場に練習を続ける。そうすれば春のトラックでも記録が出ると思います。

 僕は冬場もずっとマラソンをやってました。それがすごく自分の力をつける役に立ちましたから。やっぱり走り込みです。マラソンは学生の冬季トレーニングにはすごくいい。後進を育成する立場としても、龍馬マラソンが将来の五輪選手を育成する足掛かりになればいいですよね。

 僕は50歳ぐらいで飽きました。さすがに地球を3~4周するぐらい走りましたから。まあ、マラソンで一般ランナーに抜かれたら悔しいですからね。「瀬古さん、遅いね。太ったね」なんて言われたりしたら。今は健康のために、なるべく見えないところでジョギングする程度ですね。

 やっぱり健康が一番。龍馬マラソンでは、みなさん走って日頃のストレスを発散してください。タイムも大事ですが、楽しんで走っていただきたい。途中の景色を見て、おいしい郷土料理も食べながら、笑顔でゴールしてほしい。

せこ・としひこ 現役時代はロサンゼルス、ソウル五輪のマラソンに出場。ボストン2勝、福岡国際4勝など国内外で15戦10勝。引退後は指導者として五輪選手を3人輩出。日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーでDeNAランニングクラブ総監督。16年3月から県観光特使。三重県出身。61歳。

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