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2002.02.11 08:10

土佐の果物語(27) 第4部(4)収穫 繊細で日持ちせず

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1800年代前半に発見された亀蔵の原木。200年の時を超え、今も実を付ける(南国市十市)

 雨が降ると、ぼたぼたと収穫間近の実が落ち、赤じゅうたんを敷いたようになってしまう。収穫作業は雨との競争でもある。

 ヤマモモの熟期は、品種によって違うが、六月から七月上旬ごろ。しかも収穫後は日持ちがしない。デリケートで、少しでも力がかかると、果汁がジュワッと出て「実が泣いちゅう」状態になる。亀蔵など実の柔らかい品種は常温での日持ちはわずか二日間ほど。

 松村さんの園では、広東(かんとん)系の森口という品種を栽培している。

 「果肉が堅いので、その分、日持ちするんです。七日近くは大丈夫じゃないかな。ジューシーさもあって甘いですよ」

 数多くの品種がある中で、昔から人気の亀蔵は小さくて甘くて肉厚。中山早生(わせ)は亀蔵に比べると味は少し淡泊。広東系は大きめで酸味が少なくさわやかな甘味、瑞光(ずいこう)は、少し酸っぱめ――というのが一般的な評価。

 三代にわたってヤマモモ栽培に携わる西尾和幸さん(75)=同市池=に聞いてみた。どれがおいしいの?

 「養蜂(ようほう)をしていた時にも、どのみつがよけりゃあと聞かれましたが、花にも特有の香りとみつがあります。そこのあたりは、何とも言えませんねえ」

 生産量一位の高知県と隣の徳島県が二大産地。

 「昭和五十年代に県内でヤマモモブームが起きたんです。(昭和五十八年に)高知空港からジェット機が飛びだして、東京や大阪へ出荷できるという夢が広がって…」と西尾さん。

 今は当時ほどのヤマモモ栽培熱は感じられない。ヤマモモにほれこんだ人々の高齢化▽隔年結果が激しくて経営が不安定▽ブーム時に植えた木が成長して収穫が困難になった(生果用は木に登って手で収穫しなければならない)――などが背景にあるらしい。

高知のニュース 土佐の果物語

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