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2002.02.11 08:50

土佐の果物語(23) 第3部 (7=終)比較 高知の味は日本一

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日本一の県産小夏。渇いたのどにおいしさが染み通る

 小夏は宮崎県や愛媛県などでも栽培されており、県外産も多く高知県に入っている。

 高知市中央卸売市場での推移を見てみると、昭和四十五年までは県外産はほとんどなし。ところが四十六年ごろから愛媛県産が入りだし、大寒害に見舞われた昭和五十二年以降は高知県産は約五割に。五十三年になると宮崎県も入りだす。十一年のデータでは高知五二・九%、愛媛県三五・三%、宮崎県一一・五%。

 県内産と県外産の違いは? 同市場の荷受会社、「高知青果市場」で聞いてみた。

 「味は高知がトップやと思う。県外から入ってくるのは値段は県内産の三分の一と安いが、県内産の方は“どっしりした”味がある」「宮崎県産は露地の小夏を三月上旬から収穫する『早取り』が主。そのせいか、風味は県内産が数段上」

 高知市内の青果店主も「県外産の味は淡泊で、県内産はこくがある。木に遅くまで置いておくことと、生産者の技術管理、小夏への愛情の注ぎ方の違いでは。高知は生産者一戸あたりの面積も少なく、よく手を掛けている」。

 ちなみに生産者一戸あたりの栽培面積(十年産)を比べると、生産量全国一の宮崎県が〇・四三ヘクタールで、高知県は〇・三五ヘクタール。

 その一方で、「全国一の味」にあぐらをかいていられない実情もある。

 「産地間競争や輸入農産物などへの対策として、各県で果樹もオリジナルの優良品種を開発・登録をしようという動きが出てきているんですよ」

 明かしてくれたのは県農業技術課職員。続けてこう話す。

 「高知県では宿毛や西内などの優良品種が既に育成されています。それを有効に使って、県産ブランドをさらに売り出していく必要がありますね」

 夏本番を感じさせる日もある初夏の高知。渇いたのどにきゅっと染み通る小夏のおいしさを一段と感じる季節だ。(経済部・竹村朋子)

高知のニュース 土佐の果物語

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