2018.02.03 08:30

高知新聞NIE 親子で楽しくスクラップ新聞

1年生にとっては大きい新聞。お母さんにも手伝ってもらって好きな写真を切っていきます(高知市升形の第六小)
1年生にとっては大きい新聞。お母さんにも手伝ってもらって好きな写真を切っていきます(高知市升形の第六小)
 かわいい、大好きを見つけてどんどん貼っちゃおう―。小学生の新聞づくりで、特に低学年が気軽に作ることができるのが、新聞から写真やイラストを切って貼るスクラップ新聞です。動物の写真やアニメのキャラクター、おいしそうな食べ物など、好きなものだけ切って台紙に貼ります。空いたスペースに思いをつづっていきます。すると、子どもたちの好奇心がいっぱいの楽しい紙面ができるんです。今回は、高知市の第六小学校、初月小学校の2校の親子行事で行われた、スクラップ新聞づくりの様子をお伝えします。もちろん、家庭でも気軽にできますので、皆さんもぜひやってみてください。

第六小 1年生も次々完成
 第六小では1年生の児童を対象にPTA親子行事として、約50人がスクラップ新聞づくりに取り組みました。

 4、5人ずつ分かれたそれぞれの机上には、過去数カ月分の高知新聞が積まれています。まだ小さい1年生にとって、新聞は大きく「よっこいしょ」と、体をいっぱい使ってめくっていきます。

 早速、「花火!」「阿波おどり、見つけた!」と大きな声。台紙左側に写真を貼り付けて、右側の欄に「写真を見て気づいたことや思ったこと」を書いていきます。

 1年生の人気はやっぱり、生き物。鳥の写真や珍しいバッタの写真を見つけて、ちょきちょき切っていきます。恐竜のイラストやアニメのキャラクターも出てきました。お母さんと「このカボチャの写真は丸く切ったら、かわいいんじゃない」と話しながら切る女の子も。

 思わぬ宝物を見つけた男の子も。県展で特選を受賞した祖母が写真付きで紹介された記事を見つけて最高の笑顔に。「いつもやさしいおばあさんがとくせんとれて、ぼくはとてもうれしいです」と書きました。

 まだ習っていないはずの選挙。街頭演説の写真を選んだ男の子は「うちのすぐ近所で、これやりよった」と切り抜きました。自ら目撃したことに、関心がわいたようです。

 漢字はもちろん、新聞に載っている長い文章を読むことは1年生にとって、かなりハードルが高いことです。でも、「魚」や「スポーツ」といったテーマを決めたら、子どもたちは関係する写真や図を次々と新聞から探し出してきます。

 ある父親は「写真だけだと作業が進まないと思ったが、子どもたちの手が止まらず、何枚も作る子がいて驚いた」と感想を漏らしていました。別の母親は「1年生だと新聞は読めないと思っていたけど、今日は一緒に読めた。子どももいろんな字を知るきっかけになってよかった」と話していました。


初月小 関心事を再発見
 初月小は全学年を対象にした放課後の親子行事で行われ、児童、保護者、先生たちを合わせ、こちらも約50人が参加。「ハッピーを探そう」というテーマでスクラップ新聞づくりに挑戦しました。

 よさこいの写真を集めた女の子は、見出しに「大好きよさこい」と大きく書きました。さらに「来年もおどる」「メダル2コは、もらいます」と決意まで記してあります。

 高知市の中心商店街で行われた大道芸の記事を手に、「これ、家族で見に行ったんですよ」と目を細めるお父さん。女の子が作る紙面には大道芸人があちこちに貼られ、「ぴえろのみんなはおもしろい」と書き込まれていました。

 一方、大人の作品をのぞくと。「物忘れが増えたら要注意!」の大きな見出しを貼り、そこに「自戒の念」の矢印が延びています。聴きに行った講演会の記事と、大谷翔平投手の大リーグ挑戦の記事もあり、大人ならではの関心の幅の広さがうかがえます。

仕上げは色鉛筆やフェルトペンで。カラフルで見て楽しい新聞が出来上がってきました (高知市南久万の初月小)
仕上げは色鉛筆やフェルトペンで。カラフルで見て楽しい新聞が出来上がってきました (高知市南久万の初月小)
 終盤。「あと、5分です」の声に、「え~」とあわてる子どもたち。女子のテーブルでは、色鉛筆をたくさん使って、きれいに色を付け仕上げました。

 男の子が出来上がった新聞を自慢げに母親に渡しました。「どれどれ見せて」とお母さん。肩を組んで仲良く作品鑑賞。ほのぼのとした時間が流れます。

 ◇ 

 好きなものを切って貼り一枚の新聞に仕上げることは、自分を表現する美術作品とも言えます。「自分ってこんなことに関心があったんだなあ」といった、今まで意識していなかった気付きも得られます。

 家庭では親子で同じテーマでスクラップ新聞を作って比べてみたり、1カ月に1枚作ってカレンダーのように壁に並べても面白いですね。興味の移り変わりや心の動きを振り返ったりすることができるので、子どもの成長記録にもなります。


約70年前の「城北新聞」を参考にしながら、“平成版”の執筆に励む城北中3年生(高知市八反町1丁目)
約70年前の「城北新聞」を参考にしながら、“平成版”の執筆に励む城北中3年生(高知市八反町1丁目)
学校新聞 未来へ届け 城北中3年“平成版”執筆
 70年後に届け、平成の「城北新聞」―。高知市の城北中学校は2017年度、約70年前に発行された同校の学校新聞をモチーフに、新聞づくりを進めています。授業で1年間取り組んできた3年生たちは「学校の『今』を未来に残したい」と張り切って、最後の仕上げに励んでいます。

 取り組みのきっかけとなった昔の「城北新聞」は1949(昭和24)年から51年にかけての発刊分。昨年6月に市内の男性から寄贈され、男女共学やPTAの発足といった戦後民主教育の模様が、生徒や教員、保護者の声を織り交ぜて克明に描写されていました。

 「今の私たちには当たり前のことでも、願いを込めて長い年月受け継がれてきたもの。それを私たちも守りたい」「今度は私たちが70年後の城北中生に新聞を届けたい」―。紙面を見た生徒たちが抱いた思いを発端に、3年生の国語の授業で“平成版”城北新聞の制作が始まりました。

 生徒は4人ほどで1ページを担当。各面には生徒会の役割や構成、部活動の現況、先生のメッセージといった記事が躍りますが、実はその多くが昔の新聞での企画。過去と同じ題材で読み比べてもらい、時代の変化を感じてもらおうとの狙いです。

 生徒たちは、70年前の記事内容の詳しさや心情描写の豊かさなどに驚きつつ、負けじと取材。自分たちも全体像を把握しきれていなかった生徒会や各種委員会の構成図を作成したり、先生へのインタビューで私生活にも突っ込んで質問したり。参考とした過去の紙面が、より深く掘り下げて調べる動機付けとなっていたようでした。

 そんな中、「六・三制の義務教育」といった、今の生徒が強く意識していない話題もありましたが、生徒たちは、それもまた70年前からの問い掛けと考えて取材。同級生の声を集め、「小学校6年間だけでいい」「いや、高校までの12年間に」など、現代にも多様な考えがあることをあぶり出していました。

 「修学旅行とか運動会とかは特別な出来事と思っていなかったけど、昔の記事だと面白く読めた。だから私たちも、当たり前の今を書けばいいと分かりました」とある女子生徒。時を超えて伝えられる新聞の楽しさを実感し、70年後の学校を思い描きながら、ペンを走らせていました。

 新聞は年度内に完成させ、卒業式などで、モチーフとした昔の新聞と並べて掲示する予定。担当の先生は「多くの方に学校の過去、現在、未来を感じてもらえれば」と話していました。

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