2018.02.01 08:00

【南国市官製談合】長年の組織的黙認を疑う

 南国市発注工事の随意契約の情報を特定業者に漏らし受注させたとして、前副市長が官製談合防止法違反容疑で県警に逮捕された事件に絡み、同市の随意契約で官製談合行為が常態化していた疑いがあることが分かった。
 現職の副市長も農林水産課長当時に関わり、「あしき慣行だった」と認めた。市民を裏切る不正が組織内で公然と引き継がれてきたことになる。異常だ。
 複数の業者に価格などを競わせ、発注者が最も有利な条件の業者を選ぶ競争入札とは違い、随意契約は発注者が任意で業者を選び、契約できる。地方自治法施行令で要件が定められた制度だ。
 一定額以下の小規模工事や、災害復旧など緊急を要するケースなどが条件だ。競争入札に比べて手続きが格段に簡素で、地域の小規模業者の参入機会も広がるといったメリットがある。
 一方、行政側の裁量が大きいため、公平性や透明性の確保が問われる。恣意(しい)的な運用や特定の業者との癒着を生み、これまでに国や自治体で贈収賄事件にも発展する不正が相次いできた。本県でも摘発例がある。
 地方自治法施行令で市町村発注工事の随意契約は130万円以下と規定される。選定は任意とはいえ、競争性や公平性を担保するため複数の業者から見積もりを取るのが原則だ。南国市は3社から見積書を取って審査し、最低金額の業者と契約すると規則で定めている。
 だが、摘発された前副市長は商工観光課職員当時の2015年、遊歩道補修工事の見積書3通を自ら作成して特定の業者に渡し、談合させていたとされる。市職員も、一部業者もそうした談合行為が「慣習」になっていたと認める。
 市の担当者が受注させる業者を指定し、他の2社分の見積書も作らせ、取りまとめさせていたという。業者側から「いかんと考えたこともない」との声まで聞かれるほどで、市と業者の間でなれ合いのようにして、少なくとも「20年ほど前」から続けられてきたようだ。
 南国市は1995年に市発注工事を巡る談合事件から、当時の市長と担当課長の汚職事件に発展した過去がある。その反省や教訓どころか、むしろ市側が談合不正を主導してきたことになる。
 規範意識の欠如は明らかであり、組織的な関与さえ疑われる。同市の随意契約は各課長が決裁し、財政課や副市長、市長に書類は回らないというが、長年の引き継ぎとして、組織全体で黙認してきたのではないかとの疑念を抱かせる。
 随意契約は何件あり、特定業者への偏りはなかったか。契約金額や施工内容は妥当だったか。過大な金額なら市に損害を与えたことになる。市は一件一件つぶさに調べ、市民に明らかにしなければならない。これから「改善したい」では済まされない。当然、責任も問われる。
カテゴリー: 社説

ページトップへ