2018.01.25 08:30

いのぐ 高知県版津波サミット 高校生の発表を中学生が取材

県内の高校53校、約210人が参加した「高知県高校生津波サミット」(高知市の県公立大永国寺キャンパス)
県内の高校53校、約210人が参加した「高知県高校生津波サミット」(高知市の県公立大永国寺キャンパス)
 昨年12月、高知市で「高知県高校生津波サミット」が開かれました。県内53校、約210人の高校生が参加。16校が日ごろの防災活動を発表し、意見交換しながら南海トラフ地震への備えを考えました。今月の「読もっか いのぐ」は、防災いのぐ記者による津波サミットリポート。記者11人が4班に分かれて、高校生の発表を取材しました。各班の担当は4校。特に良かったと思う1校の取り組みは記事で、残り3校は見出しのようにまとめました。

A班 追手前高校(高知市) 避難所での安心を考える
 追手前高校ではアンケートに基づいて、避難所での安心できる環境づくりを考えました。

 全校生徒約780人へのアンケートでは「避難所の一員としてどのような行動ができるか」という問いに対して無回答が全体の33%を占め、防災への関心の低さが分かりました。

 過去の事例から、安心できる避難所には「プライバシーを守ること」「必要な衛生用品の供給」が必要と考え、仕切りや簡易トイレ、生理用品やおむつの説明カードの原案を作成しました。生徒一人一人が作り方を理解し、また避難所で教えるときに使うためです。

 仕切りの高さは日本人の平均座高約75センチメートルにして犯罪を防ぎ、簡易トイレはビニール袋を取り換えれば何度でも使えます。生理用品、おむつは身近な物で簡易に作れるよう工夫しています。

 活動は生徒会が中心になって行いますが、まだ全校生徒に伝わっていないという課題があります。今後はその克服に努め、安心できる避難所づくりに貢献する高校生になることを目標としています。

  (酒井美衣奈、中屋和佳葉、穂岐山陽記者) 

■高知商業高校(高知市) 英語表記の防災ポスターの作成と掲示
■嶺北高校(本山町) 地域の食材を使った災害食「嶺ホコット」開発
■清水高校(土佐清水市) 命守るため土佐清水市と連携し防災活動展開


B班 高知県立盲学校(高知市) ほしい手助けをチラシに
 視覚障害のある人が通う県立盲学校では、視覚障害者にアンケートをとり、災害時の具体的な支援方法について考えました。

 生徒会が、盲学校の生徒や先生など計19人にアンケートをとりました。聞いた内容は、視力や見え方、1人で避難できるか、また避難する時の不安などです。

 その結果、白濁して見える人や、中心だけ見えない人など見え方はさまざまでした。また避難経路が崩れるなど、環境が普段と大きく変わることが不安だということも分かりました。

 そこで、どのように手助けしたらいいのかをチラシにまとめました。「クロックポジション」という時計の文字盤をイメージして方向を伝えるやり方のほか、目が見える人の手や肩を貸してあげたり、避難所で掲示板の情報を読んで伝えたりすることがサポートになると紹介しています。

 盲学校では今後の課題として、地域でのご近所付き合いに取り組むことと、障害者への支援方法について理解を図っていくことを挙げています。

 (有田くるみ、水野みやび、宮地愛記者)

■高知西高校(高知市) 地域の人との防災ワークショップを計画
■須崎高校(須崎市) 避難訓練アプリ活用し避難ルートの課題発見
■高知高校(高知市) 校内の危険箇所チェックと改善策の提案


C班 須崎工業高校(須崎市) 支援できる人になろう!
 須崎工業高校は昨年9月に避難所運営ゲーム(HUG)を全校生徒でしました。ゲームを通して、支援者として活動することの大切さを学びました。

 海抜43メートルで海から570メートルの場所にある須崎工業高校には津波は来ませんが、学校の下の住宅地には津波が来る恐れがあります。そのため、学校は避難所に指定されており、防災意識を高めるためにHUGを行いました。

 班ごとに分かれて、避難所で想定される課題について考えました。例えば、犬を連れてきた夫婦がいた場合、その内容にあった解決策を高校生自身が探します。避難する側ではなく、避難者を受け入れる立場を体験することで、支援者としての意識を高めました。

 この他にも、工業高校の強みを生かして、木の板に「避難しました」の文字をレーザー加工した安否札を作りました。安否札は災害時、避難したことを救助しに来た人に伝えるため玄関先に掲げる札のことです。昨年度に続いて、作った安否札を地域の人に配布する活動も行いました。

  (北岡楽夢、黒川亜美、坂本一真記者)

■室戸高校(室戸市) 防災委員を新設して防災活動を幅広く展開
■大方高校(黒潮町) 被災地訪問の体験談 全校に発表で意識向上
■土佐塾高校(高知市) 防災用具の使い方を英語で説明する動画作成


D班 中村高校(四万十市) 自主防災組織を立ち上げ
 中村高校は、昨年7月に自主防災組織「NDSD」を立ち上げました。生徒や先生に意識調査をした結果、地震や津波に対する取り組みが不十分だと分かったからです。2017年度は避難所開設訓練などを行いました。

 津波サミットに向けた防災活動に先立ち、全校生徒や教員に意識調査をしたところ、地震や津波に関心がある人は80%ほどと高かったです。その一方で、高校での防災活動の取り組みは不十分という回答結果が出ました。

 そこで生徒会のメンバーを中心にNDSDの活動を開始。文化祭では、PTAと協力した豚汁の炊き出しや、過去の四万十市の震災の写真展示、黒潮町や企業と協力しての缶詰販売など啓発活動をしました。また活動を知ってもらうため「カワボー」というキャラクターも作りました。

 まだまだ防災の取り組みや備えが不十分だという課題を感じたといい、今後は誰にでも分かる避難所運営マニュアルを作成したり、避難所にある備蓄品の使用方法を広めたりすることを目標に活動していく予定です。

  (宮畑若奈、山岡泉水記者)

■高知南高校(高知市) 高知市の観光客向け防災パンフレットを作成
■丸の内高校(高知市) 定期的な防災新聞の発行で防災意識の向上へ
■太平洋学園(高知市) 防災新聞の配布など地域を巻き込み啓発活動

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カテゴリー: 教育社会いのぐ災害・防災


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