2017.12.28 08:00

声ひろば 2017年12月28日、木曜日

1.委託とその責任
【浜潤輔、70歳、高知市】
 人にモノゴトを頼んだら、相手側にその責任は全面的に移ることになるだろうか。例えば庭木の剪定(せんてい)を知り合いに頼んでいたところ、隣接する道路を歩いていた人に伐採した木が当たりけがをした場合、受託者が全面的に責任を取るのか。
 委託者側にも、何らかの責任が生じるのではないか。謝罪はもちろん、けがの程度などにより何らかな補償する責任が生じるのではないか。それを受託者に全面的に負わせるのは一般常識として酷ではないか。
 しかし、3年ほど前に私の孫が県内某市が委託している公的組合の清掃車にひかれて亡くなった。このとき市からは「市には責任はない」と回答があった。私どもは愕然(がくぜん)として、裁判でも争って勝訴した。「市も連帯して責任がある」との判決であった。
 市は、公的組合は自主的に業務を行っており、市として何らの指導・監督はしていないと裁判での準備書面などで明言。このため、市内部では担当者に対する注意を含む対応(処分)はなかった。
 一方、国は文書などで「委託することはできるが、市町村の業務と同じように責任を持って指導監督して実施するよう」との趣旨を通知している。
 常時できないにしても、節目には指導が必要と考える。これからも経費節減などで、市町村業務の委託や指定管理は多くなると思うが、「安かろう、悪かろう」では住民が困る。また、丸投げでも困る。

2.五箇条の御誓文
【敦賀昭夫、64歳、中学講師、京都市】
 今年1月、坂本龍馬が死の5日前、福井藩の重役中根雪江にあてた手紙が見つかり話題になった。内容は同藩の三岡八郎(後の由利公正)を新政府に至急、出仕させるよう要請したものだった。
 最近「コミック版日本の歴史 由利公正」を読んで、当時の2人の交流の歴史的意義が見えてきた。龍馬暗殺後、由利は成立したばかりの明治新政府に出仕し、岩倉具視から早速財政を任される。
 まず当座の財源として全国の商人から御用金を集めるため、新たに300万両の太政官(だじょうかん)札を発行。それは正貨ではない。新政府の信用に基づいて発行される債券のようなものだ。
 しかしいかに商人たちから信用を得るか。そこで由利が考案したのが五箇条の御誓文だ。驚いた。誓文は、新政府が商人たちから信用を得るために欠かせない宣誓文だった。
 そこには、軍事的関心は書かれていない。商人向けの、万国に開かれた共和制国家宣言と読めなくもない。後に木戸孝允らに天皇の宣誓風に手直しされるが、由利の御誓文に注目したい。由利と龍馬の交流とあわせて、明治新国家の成立事情を学び直したい。

3.マスク
【片岡香代、76歳、主婦、日高村】
 病院では感染予防や相手へのエチケットなどのため、多くの人たちがマスクを着けています。難聴気味の友達が、お姉さまの介護で医師の説明を受ける時、医師がマスクをしているので聞きづらくて困るとの事。
 私自身も難聴のため診察の順番待ちや会計等、口元を見て耳をダンボにして注意しているのですが、マスクではわかりません。あまり遅いと、もしかしたら呼んでいただいたのではと確かめると、「とうから呼びました」「順番が来たら呼びます」と不機嫌な答えがかえります。情けない気持ちです。
 かつて私も医療機関で働いていた時は、ほとんどマスクを着けていました。今になって反省しています。障害になって初めて気づく事も多く、まだまだ難聴者にとっては厳しいと思います。
 最近はテレビの字幕があり、本当にありがたいです。

4.禍福
【徳田武士、69歳、高知市】
 愛媛から高知に移り住み、私が良かったと思うことは、高知の県民性とおせっかい焼きの先輩と知り合えた事だ。私が自分の生い立ちを話して「不幸な星の下に生まれてきた」と嘆くと「不幸な星など、この空のどこにもない」と怒った。
 ある日、先輩は「その君の嘆きを書き残せ」と言った。私の嘆きが「高知ふだん記」という本の47号に載った。タイトルは「不幸な星の下」である。読んだ方から、はがきが来た。1人は、娘さんとご主人を亡くされた、北海道の方であった。「私も不幸な星の下に生まれたと、今月迄思って生きてきました」と書いてあった。先輩の励ましと、あなたに勇気をもらいましたと書いてあった。うれしかった。
 先輩は、かるぽーとで開催された郷土演芸大会というイベントにも私を連れ出してくれた。今回で4度目である。そして「アンパンマンの歌」を合唱した。
 私が今、思う事は「禍福」は、まさしく「糾(あざな)える縄の如(ごと)し」だという事である。不幸な星の下に生まれたからこそ、私は流れ着いた高知で数々の幸運にも巡り合うことができたのだ。北海道や大阪から幸福の手紙も頂く事もできた。「アンパンマンの歌」も晴れ晴れと歌う事もできたのである。
 「何のために生まれ、何をして生きるのか、答えられないなんて、そんなのは嫌だ」と、人々を幸福へ導く大切さをいま一度。合唱団で歌い続けてくださいとの励ましにいま一度。

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