2017.12.27 08:00

声ひろば 2017年12月27日、水曜日

1.五十回忌の法要
【岡崎愛明、92歳、四万十市】
 去る11月26日、父の五十回忌の還土の法要を済ました。施主である自分が脳梗塞で入院中でもあり迷ったが、年初めの頃から計画していた事でもあり、法要の最後でもあるので外泊をもらい決行した。
 親族の方に迷惑掛けてはと一切をお寺にお願いしていた。それを知った妹や義妹がお供えくらい作ろうとそれぞれ心のこもった団子や餅を作ってくれ、面目を保つ事ができた。香典は受け付けない事を了承してもらった。不自由の身では何もできないためである。
 予定していた方たちとそろってお寺へ出発しようとした時、認知症で施設でお世話になっている妻が、車椅子から転がり、救急車で大病院へ行くので付き添いをとの事、ぼうぜんとなった。なぜ今日。次女が行ってくれた。
 心配しながらお寺へ行った。おいが手を引いてくれ、本堂での読経拝聴し、焼香炉は和尚が私の前に持って来てくださった。再びおいに手を引かれ墓参もできた。子としての最後の務めを終えた気がした。妻も脳振とうだけで帰途についたと電話があった。用意していたので精進落としを始めた。
 土に還(かえ)る父をたたえ送る言葉も用意していたが、口に出せずに終わった。果たして霊あるものか加護あるものか、何だか心残りのする法要だった。

2.いきいき百歳体操会
【小野久子、89歳、高知市】
 高知県発のいきいき百歳体操は、今や全国的に広がっているという。
 この会に参加するようになって10年余りになる。健康を願う心の集まる会場の空気は温かく、水曜日を楽しみに出かける。「何歳になっても、運動することで筋力は強化できる」とのお話を伺ったことも大きな励みになり、一、二、三、四と声をそろえて体を動かす。
 おまけに茶話会、お花見、お月見、クリスマス会等の小宴や、ボランティアの方々による楽器の演奏、保育園児との本読み会等々があり、どれもこれも楽しい。1カ月100円の会費をやりくりして、こんなにいっぱい楽しみを用意してくださる役員さんに、ただただ感謝のほかない。
 その上、この会場には地域のおまわりさんが折々に顔を出される。新しい手口の詐欺があったりすると、詳しく紹介されて絶対だまされないようにと注意を促される。
 過日は、ご自作という「振り込まない」の歌や踊りを教わった。言葉巧みな詐欺犯の怖さを繰り返し聞かせていただくおかげで詐欺とは無縁。
 いいことずくめのいきいき百歳体操会。優しい皆さまに支えられ、今年も無事に暮れた。
 来る年も続けたいものと願っている。

3.羽根の十兵衛相撲
【河野初美、73歳、愛知県あま市=室戸市出身】
 実家から送られてきた、高知新聞12月10日付の「羽根の十兵衛相撲」の記事を、とても懐かしく読ませていただきました。
 実家が鑑雄神社のすぐそばなので、子供の頃から相撲の事はよく知っていました。父が「相撲をした人たちがバス等で帰るのに、土が付いた体では気の毒だから」と、毎年家のお風呂を沸かして入ってもらい、さっぱりして帰ってもらえるようにしていた事を懐かしく思い出しました。
 記事にもありましたように、江戸時代、十兵衛先生が命と引き換えに村人を救ってくださったおかげで、今の私たちがあるのかもしれないと思いました。
 これからもずっと盛大な相撲大会が続きます事を願っております。

4.石うすの歌に寄せて
【溝渕広子、77歳、香南市】
 詩歌については専ら鑑賞するのみだけれど、いわゆる心の琴線にふれる作品に出合えたときは本当にうれしい。
 十数年も前、宮中歌会始で披露された選歌の1首、お題は「町」。
 夜をこめて町のいくつを走り過ぐ宗谷岬の風に遇(あ)ふまで
 北の果ての夜明けを目指して暗夜の町をひた走る1台の車、たどり着いたオホーツクの、朝日に輝く海の色はどんなであったろう。
 また、俵万智さんの「四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら」も好きである。ふりそそぐ陽光を受けてきらめきながら躍動する波しぶきや、浅瀬ではせせらぎの音まで聞こえてきそうだ。
 さらには数年前、本紙「あけぼの」欄に載った、県西部の80代の男性からお母さまをしのんで寄せられた一文が印象に残っている。働きづめの母親が子供のしば餅を作るために、夜なべに石うすをひきながら、昼間の疲れでついウトウトと居眠りをする様子を愛情こめて書かれていた。少年の日のこの光景は折にふれてこの方の生きる支えともなったことであろう。末尾に添えられていた一首は今はもう記憶もおぼろで、ただ結句の「…逝きて四十年」はしみじみと切なく心に残っている。
 出無精ゆえめったに旅行などもしないが、宗谷岬の風は論外にしても、四万十の光の粒にはいつか会いに行けたらと思う。
 ちなみに、この盆休みに孫2人がレンタカーでまわった北海道旅行では、宗谷岬は雨で寒くてはやばやと引き揚げたそうで、お土産はかの「網走刑務所せんべい」であった。


《中学高校生特集》

1.土壌作りと農業
【藤本航大、高知農業高3年】
 農業において土は、極めて重要な役割を持っています。土によって作物のおいしさが決まる、と言ってもよいぐらいです。
 そう分かったのは、課題研究で土壌の研究をしてからです。最初「ミミズのいる土は良い土なのか」との疑問から始まりました。先輩たちの研究を引き継ぎ、土のpH(酸度)やEC(電気伝導度)について科学的に研究を進めたところ、発芽率の違いはありましたが、ミミズだけではだめだと分かってきました。
 いつ施肥すればよいのかなど、土壌の研究は単純なものではありません。近年、野菜などを作る際、生育障害や連作障害等が発生しています。農業高校でも、生育障害で作物に被害が出たことがありました。このような問題が起きると、農家は大きなダメージを受け、収入減にもつながります。
 そこで先生から「土壌医検定を受けないか」と話が出ました。土壌診断により、適切に土作りをアドバイスできる知識を身につける資格です。
 現在、土壌の改善を行える人は極めて少ないです。適正な土壌作りや適正な施肥が重要です。私は、研究したことを生かし、土作りの専門的な知識を持つ農業教員になりたいと考えています。
 3級からの受験ですが2級、1級と施肥改善から作物育成の改善指導ができるレベルまで、自分の知識をレベルアップさせ、高知の農業に貢献できる人材になりたいと考えています。

2.心から願う種の保存
【久保田聖那、四万十町窪川中2年】
 先日、5月11日に京都市動物園で誕生したツシマヤマネコの赤ちゃんが、順調に成育中だという記事を目にしました。長崎県対馬だけに生息する絶滅危惧種で、国の天然記念物にも指定されている貴重な種です。
 繁殖は大変難しく、九州以外での成功例は初だそうです。ペアリングが難関で、相性が悪いと交尾せず最悪の場合、闘争しかみ殺すこともあるというから尋常ではありません。
 慎重にお見合いさせ、同居中はモニターで常時監視。エコー検査で妊娠確定後は母体に負担がかからないよう自ら体重計に乗るトレーニングの他、おなかに触ったり聴診器を当てたりするトレーニング等、やれることは全て実践し誕生を迎えたといいます。
 以前、動物園で飼育体験をした際、モニターで生態を見守ったり他の動物園と情報交換して、よりよい飼育・繁殖に努めたり等、飼育員さんの懸命な努力を知り、種の保存のための貴重な研究施設であることを実感しました。
 全国の動物園が培ってきた専門知識と技術を結集すれば、ツシマヤマネコのように救える種はきっと増えると思います。
 2千グラムを超え、成猫の半分ほどに成長したという子猫たち。驚くことに、1歳までの死亡率は約40%に上るといい、まだまだ油断はできません。誕生の奇跡同様、無事に育つことを心から願っています。

3.責任を持つ
【庄司桂、幡多農業高2年】
 責任とは、とても重く大変なものだと私は感じました。馬術部に所属している私は朝早くから部活が始まり、夜遅くまでほとんどの時間を馬と過ごしています。馬術部では、馬の世話をしたり、馬に乗って練習をします。部員数が多いため、1人当たりの練習時間は短いです。だから、短い時間で集中して無駄なく練習することを心がけています。
 馬に乗るということ、馬と一心同体となって障害物を跳んだりすること。馬術は、他のスポーツと違って一人でするのではなく馬に力を貸してもらってできるスポーツです。
 私たち部員には大きな責任があります。日々馬を練習で使うため、馬の健康管理、部屋の安全確認、馬体チェックなどをしなければなりません。
 3年生が引退し、今までやってくれていたほとんどのことの責任が自分に回って来た時、とても大変で、すごく重く感じました。
 馬という動物に対しての責任を持つことで、自分の弱さや悪い所を少しずつ改善できている気がします。残りの部活動の中で責任を持ちつつ、社会に出ても恥ずかしくない大人になれるように日々たくさんの事を吸収してやっていきたいと思います。

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