2017.12.16 08:01

声ひろば 2017年12月16日、土曜日

1.来年こそ佐川町再訪を
【礒部伸樹、70歳、横浜市】
 その町を歩いていると酒造工場の前に至り、芳香にうっとりした。自由民権運動の炎は、この町からも赤々と上ったと路傍の説明板に。
 13年前に佐川町を訪れた時の記憶が、つい最近ある場所で突然、鮮明によみがえった。
 それは、神奈川県大磯町にある「旧吉田茂邸」の館内を見学中のことだった。吉田茂元総理大臣が遺(のこ)した、膨大な蔵書の一部が、書棚にぎっしりと整然と納まっていた。
 私は棚の上段から、順に一段ずつ丁寧に書籍の背文字を目で追った。書籍を分類できないほど、分野が広範で驚いた。内外の政治をはじめ、経済学、歴史、宗教、伝記、社史等々。
 ふと、ある関連性のある書籍群の存在に気付いた。四国電力社史、四国銀行年史、高知県史、牧野富太郎等の、四国や高知県に関わる書籍が、あちこちの棚に相当数あるのだ。
 私は、うかつにも、その理由をとっさに思い出せなかった。吉田茂の実父、竹内綱は高知県宿毛生まれの政治家だったことを。
 館内には、件(くだん)の酒造会社の銘酒も、どんと置かれ、翁が愛飲し続けた酒との解説も付く。
 懐かしい佐川の町。名庭、牧野博士発見(命名)植物、ナウマン象カルスト。来年こそあの穏やかな時の流れる町を、再訪してみたいと思う。

2.観光特使の気分
【塩田忠男、67歳、いの町】
 今、私は録画している番組を時々見ています。俳優、火野正平さんが自転車で全国を回っている番組「こころ旅」の高知編です。自転車で回りながら地元の景色を見たり、地域の人たちと話をしたり、その土地の食堂で食べたりしながら回っている番組です。
 高知の景色の美しさ、人柄の良さ、人の親切、おいしい物があることがわかり、見ていて良いところがいっぱいあるなと気づかされました。
 例えば安田町では赤い鉄橋や自然薯(じねんじょ)の話、大豊町では店主との話やうどんのおいしさ、鏡川での話、いの町の仁淀川橋の出来事、日高村のメダカ池、須崎市駅前の鍋焼きラーメンのおいしさなど。またそれぞれの町での忘れられない思い出の出来事が話され、見ている私はこころが熱くなってきました。
 世の中は、ミサイルや核の安全保障問題、暴力問題、残虐な殺人、品物が値上がりしたり、年金が下がったりして、悩む問題がいっぱいありますが…。さわやかな番組を見て、こころがうきうきしてきました。
 放映後、県外に出ている友人に話したり、近所の友人に話したりして、まるで高知県の観光特使になったような気分です。ますます高知が好きになった番組です。ちょっと感動したのでペンを執りました。

3.クリスタル天寿を全う
【千葉理枝子、66歳、主婦、高知市】
 クリスタルとは、わが家の猫のことです。2年前、声ひろばに「クリスタル21歳」として投稿しました。そのクリスタルが数カ月前、23歳で旅立ちました。長女が大学在学中に拾って松山で2年。就職する長女と一緒に上京して3年。
 そして高知のわが家の一員となり18年。あんなに抱っこを嫌がっていたクリスタルも最期の1週間は、ゆったりした時間の中で、今までの事を話してあげると、私に抱かれて聞いていました。
 家族が「ただいま」と言うと返事をして喜んでくれ、亡くなる前日まで私を起こしてくれたクリスタル。次女の送ってくれる北の大地のおいしいものの詰まった箱の中に、いつもクリスタルの大好きな缶詰が入っていました。
 亡くなったあと次女の夢の中にクリスタルが現れて「いっぱい食べさせてくれてありがとう」と言って亡くなったそうです。それを聞いた私は、「夢でもいいから会いたい」と。
 93歳の義母、4人の子どもたち、私たち夫婦にとって癒やしの存在でした。クリスタルありがとう。

4.京都の素敵な言葉
【有沢二郎、69歳、自由業、土佐清水市】
 11月17、18日の日程で、いつものカラオケ友を引き連れて、久しぶりの京都へ出向いた。秋はたけなわ、千年の古都のベストシーズンである。今回は市街地観光を避けて外周にスポットをあてた。初日は保津川下りと嵐山。2日目は修学院離宮、三千院、鞍馬寺、貴船神社のつたい歩き観光だ。
 人間の考えそうなことは誰しも同じらしく、外周観光は花盛り、どこもかしこも人人人の大集合で日本一の観光地の実力を感じた。
 この旅のメインは修学院離宮の参観にあった。7月に出した参観の応募が大多数の抽選で見事な大当たり。4人一組10グループが一団となって、16万坪の大庭園を90分間にわたって散策した。初日の嵐山での大混雑を思うと信じられない静寂である。
 後水尾上皇が作庭したという、広大な敷地の紅葉に染まる至上の楽園を、たった40人だけの贅沢(ぜいたく)極まる散策は感無量であった。選抜された私たち4人は、この日の「高知県代表の来賓かな」と思い、名誉と幸せを感じた。
 その朝のこと、ホテルの玄関に貼っていた観光ポスターに目が留まった。B2ポスターに印刷された3行の言葉は「日本に京都があって良かった」。なんて素敵(すてき)な言葉ではないか。
 私はすぐに頭に浮かべ「日本に高知県もあって良かった」。一歩踏み込み「高知県に清水があって良かった」と呼ばれる町でありたいと思う。

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