2017.12.09 08:00

【五輪からの除外】ロシアは重く受け止めよ

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開幕が2カ月後に迫る中、ドーピング問題でロシアに厳しい処分が下された。
 国際オリンピック委員会(IOC)が同国選手団の大会からの除外を決めた。ロシアの自国開催だった2014年ソチ大会について調べていた調査委員会が、国家ぐるみの不正を裏付ける物的証拠などを示した報告書を提出した。
 ドーピングはスポーツの根幹を揺るがす重大行為だ。決して許されない。ロシアは厳罰を重く受け止める必要がある。
 IOCは一方で、潔白を証明できたロシア人選手が個人資格で出場することを認めた。
 国旗や国歌は使用できないため、ロシアのプーチン大統領らは反発していたが、希望者の出場は容認するという。ロシア政府が潔白の選手の出場までボイコットする事態は避けられそうだ。
 個人参加の選手は複雑な心情での出場になるだろうが、何ら恥じることはない。胸を張って大会に臨んでほしい。各国の選手団は堂々と勝負し、私たちも声援を送りたい。
 ロシアのドーピング問題は、平昌大会から除外して解決するわけではない。
 プーチン氏は「われわれにも一部悪い点があった」と一定の責任を認めているが、国家の関与は否定している。証拠を示さずに「米国による圧力」とも主張している。これではIOCはもちろん、国際社会の信用は得られない。
 疑惑は、ソチ大会のドーピング検査所長だったロシア人のロトチェンコフ氏の告発がきっかけだった。世界反ドーピング機関(WADA)が既に、ロシアに組織的な薬物投与や検体のすり替え行為などがあったと認定している。
 こうした調査の結果を否定するなら、ロシアは相応の証拠の提示や説明を尽くさなければならない。それができないのなら、責任を認めて反省し、反ドーピングへの体制づくりを急ぐべきではないか。
 IOCにも注文を付けたい。
 昨年夏のリオデジャネイロ大会でIOCは、ロシア選手団の出場の扱いを各国際競技連盟に任せた。反ドーピングの先頭に立つべきIOCの主体性のない判断が批判を浴びたのは当然である。
 平昌大会を前にした処分はこの時の批判を踏まえたものであろうが、IOCには毅然(きぜん)とした姿勢が求められる。
 ロシアが処分を全面的に受け入れれば、閉会式までに処分を解除する条件を提示したことも気になる。五輪にスポーツ大国ロシアの存在は大きいが、特別扱いと受け取られるようなことがあってはならない。
 中途半端な対応ではIOCの姿勢が問われる。20年の東京大会にも影響を及ぼしかねない。慎重に対処してもらいたい。
 ロシアが反省に立つなら、反ドーピングへの支援も惜しんではならない。五輪の将来にも関わる。
カテゴリー: 社説

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