2016.01.23 14:01

小社会 明治の文豪・幸田露伴は、世の中の諸事百般に…

 明治の文豪・幸田露伴は、世の中の諸事百般に通じていた。料理や掃除などの家事の極意を徹底的に仕込まれたと、露伴の死後に作家となった娘の文が書いている。知識を教えるのではなく、何でも自分でやってみせた。

 父親にしてみれば、娘が将来困らないようにという親心だろう。そういう姿勢で子に向き合うのは、幅広い意味での子育てともいえる。家事にも育児にも積極的な父親像だ。家長制度が強固だった時代には珍しい男性だったろう。

 片や家族のかたちが多様化する現代、様変わりの調査結果である。女性に比べて男性の方が、夫の家事や育児参加を肯定的に捉えている。そんな意識が大阪大などのチームの調査で浮かんだ。

 「夫が妻と同じくらい家事や育児をするのは当たり前だ」との問いに、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた割合は男性66・2%、女性は55・1%。調査に当たった同大の吉川徹教授の「男性の心構えはできている」とのコメントが面白い。

 意識はそうでも実態が伴わないのは、「社会制度に課題がある」と同教授。育児や家事を妻と分担しようにも、長時間労働に阻まれる。男性が育休を取得するにも言い出しにくい雰囲気がある。社会制度の壁を打ち破るには、企業に根強く残っている古い意識の改革も必要だ。

 男性の心構えができているのなら、あとは政治や社会が背中をドンと押してやればいい。
カテゴリー: 小社会コラム


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