2017.11.07 08:40

むすび塾×いのぐ塾 in 安芸 揺れ対策「してない」56% 市民アンケート

 東日本大震災や熊本地震を経験した語り部と一緒に南海トラフ地震から命を守る対策を考える防災イベント「むすび塾×いのぐ塾」が10月28、29の両日、安芸市で開かれた。

 津波避難は意識高く

 今回のイベントで行う住民同士の「語り合い」での話題提供や防災意識の共有のため、高知新聞社と河北新報社は、10月に安芸市で開かれた防災イベントに参加した同市民ら53人を対象に南海トラフ地震への備えに関するアンケートを実施した。

 それによると、「津波の一時避難場所に行ったことがあるか」には47人(88・7%)が「ある」と回答。複数の避難場所を想定しているかを聞くと、「2カ所」が22人(41・5%)で「3カ所」も18人(34・0%)いた。津波への意識は高い傾向にある。

 一方で地震の揺れへの対策については、自宅で身を守る備えを「十分している」「おおむねしている」を合わせ20人(37・7%)。「あまりしていない」「全くしていない」が計30人(56・6%)と過半数に上った。

 地域住民の防災意識について聞くと、「普通」が21人(39・6%)、「やや低い」16人(30・2%)、「やや高い」12人(22・6%)の順だった。

 不安なことを聞いた自由記述では、「自宅のブロック塀を改修したいが、家族内で意識に差があり、私が心配しすぎ?と思ってしまう」「『まだ来ない』『どうせもうすぐ死ぬ』と考えている人が非常に多い」などの意見があった。

 安芸市は海沿いの平野に人口が密集。最大津波高は約16メートルと想定されている。津波被害は平野部の広範囲にわたると懸念されている。


防災意識 「あきらめ」防ごう

 事前に安芸市民を対象に行ったアンケートでは、「避難をあきらめている」などの声もあった。どうすれば防災意識を高められるか、日々の活動や被災の体験を通し考えた。

 進行役の河北新報社の武田真一さんは、安芸市中心部に住む人の中には「一時避難場所に行ったことがない」人がいるなどのアンケート結果を紹介した上で、「防災意識の地域差をどう考えるかについて話してみましょう」と提案した。

 市中心部で活動する安芸中央防災会会長の松本健さんは「隣近所が近いから、周囲の人が何とかしてくれるとの意識が高いのかも」。地域には約8千人が暮らしており、「全員に目を配って避難させる難しさもあるし、空き家が増えて地域全体の状況を把握するのも難しい状況だ」と危機感を募らせた。

 地区間の意識差はどうしたら埋まるかについて、小学生の保護者、藤崎至誠さんが提案した。地区運動会で参加者が減少し棄権するチームが出ている状況に触れ、「内陸と沿岸の地区で一緒に運動会を開けば交流も深まるのではないか」。

 高齢者の「あきらめ」については、東日本大震災の語り部が経験を基に語った。格井直光さんは、住民が避難を呼び掛けたにもかかわらず、避難を拒んで住民が犠牲になった事例を紹介。元田久美子さんは「人に迷惑を掛けないためにも頑張って逃げる気持ちにさせないといけない」と呼び掛けた。

 安芸市自主防災組織連絡協議会女性部会長の仙頭ゆかりさんは、高齢者が町内会を脱会しても、地域とつながれるよう年会費100円を徴収して自主防災会に入会してもらっていると話した。「自分の命は自分で守りましょうと伝えていかないといけない」と訴えた。

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カテゴリー: 社会いのぐ災害・防災


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