2016.04.06 16:57

新聞づくりのテクニック② 取材のこつ

「なぜ」を積み重ねよう

 取材とは、記事を書くために必要な“材”料を“取”ってくること。書くための材料はさまざまありますが、基本は「5W1H」と呼ばれるもので、中でも大切なのは「なぜ」という疑問です。
 5W1Hは「いつ」「どこで」「誰が」「何を(した)」「なぜ」「どのように」の6項目。これらを使って簡潔に説明することが、物事を分かりやすく伝える基本です。
 新聞記者がとりわけ重視しているのが「なぜ」。出来事の背景や理由、動機、思惑といった「なぜ」に当たる要素を書かず、事実だけを伝える記事では、読む人の「知りたい気持ち」に応える記事にはなりません。
 記者は取材の中で、数え切れないほど多くの「なぜ」を思い浮かべ、答えを探ります。「この人がこう思うのはなぜだろう」「あの取り組みを始めたのはなぜだろう」など、たくさんの「なぜ」を取材で積み重ね、読む人に「なるほど!」と思ってもらえる記事を書くための材料を探しているのです。

深く聞くために「予習」を

 取材と学校での勉強には共通点があります。それは「予習」、つまり下調べが大事だということ。下調べしておくことで、取材はぐっと充実します。
 例えば、地元の商店街について取材するとします。下調べせずに現地に行くと「ここは何の店ですか」「何軒ぐらいの店がありますか」「よく売れる品は何ですか」など、その場で思い付くことしか聞けないでしょう。
 では事前に、商店街についてパンフレットを見たり、ネットで検索して調べたりするとどうでしょう。どんな店が何軒ぐらいあるかなどは分かるはずです。その知識を基にすれば「パン屋が4軒もある。売れ筋商品が違うのかな」など、一歩進んだ疑問や興味が湧いてきて、取材内容を深められます。
 読んで面白い記事は、通り一遍の浅い取材ではなかなか書けません。しっかり下調べし、そこから自分なりの「なぜ」を見つけておくことが、面白い記事を書くための取材をする上で大事です。

メモは手早く、後で補足

 せっかく取材しても、調べた内容を忘れてしまっては意味がありません。そこで必要になるのがメモ。上手にメモを取ることが、取材では不可欠です。
 ただ、メモは簡単ではありません。同じ字数を話すのと書くのとでは、書くスピードはわずか10分の1程度。人の話を完璧に書き留めるのは、ほとんど無理。自分が読める範囲なら乱雑な字で良いので、とにかく手早く、要点を記しましょう。
 それでも話す速さに追い付けなくなる時があります。その場合も諦めて完全に手を止めるのではなく、間が飛んでも良いので、メモを再開しましょう。多少飛んでいるメモでも、前後の言葉を見れば、ある程度話を思い出せます。でも、途中で完全にやめてしまうと、思い出すのがとても大変になります。
 できれば取材の直後、一度自分のメモを見返して、抜け落ちたところを書き足しましょう。内容が頭に残っているうちに補足しておけば、記事を書く時に大いに役立ちます。

おしゃべりを楽しもう

 取材では、知らない人に話を聞くことが多くあります。初対面の人と話すのは緊張しますが、それは相手も同じ。多くの話を引き出すには、相手と打ち解けることが必要です。
 そのためには、まず自分から積極的に相手に話し掛けましょう。相手の話を聞いて、うなずいたり笑ったり、知り合いと話すようにして、おしゃべりを楽しむつもりで。リラックスした雰囲気が伝われば、相手の口も滑らかになり、本音の言葉をたくさん拾えます。
 そうしておしゃべりをしていると、聞きたい話から外れる場合がありますが、無理に戻す必要はありません。面白い話や驚く話は、予想外の流れから飛び出すものだからです。
 そして、話の中で「それはなぜ?」と、疑問が浮かんだら、遠慮せずに聞くこと。取材中に見つかる「なぜ」は、自分の頭の中だけでは見つからない貴重なもの。実際の取材でつかんだ「なぜ」を大切にして、記事をまとめる手掛かりにしていきましょう。

カテゴリー: 学校新聞コンクールNIE


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