2017.11.05 08:00

【男女平等114位】「女性輝く社会」実現急げ

 社会のあらゆる分野で男女の機会均等・共同参画が叫ばれて久しい。安倍政権も「女性の活躍」を成長戦略の前面に掲げる。その方向性に異論はない。だが、足元の現実はまだまだ心もとない。
 国際機関「世界経済フォーラム」が発表した2017年版「男女格差報告」で、日本は144カ国中114位とまたも下位に位置付けられた。順位は前年より三つ下がり、過去最低。先進7カ国でも最下位で、3桁台は6年連続になった。
 男女の平等度のランク付けで、日本は政治、経済の分野で下位から脱却できない。17年も政治は123位と前年より順位が20も低下し、世界との差が広がった。
 日本は国会、地方とも女性議員の割合は1割程度にとどまる。地方議会の2割は女性ゼロという調査もある。女性が参政権を得て70年余りたってなお、女性の進出を阻む「ガラスの天井」の分厚さを想起させるようだ。
 政府が03年に「20年までにあらゆる分野で、指導的地位に就く女性の割合を30%に引き上げる」との目標を設定してから約15年。その歩みはもたついている。
 先の衆院選でも全立候補者のうち女性の数は2割に満たなかった。安倍首相は女性の積極登用をうたいながらも、自ら率いる自民党は1割にも及ばず、新内閣の女性閣僚は2人にとどまった。
 「働く女性」を取り巻く環境の厳しさも際立つ。経済分野の日本の順位は114位と低いままで、女性進出の遅れは明白だ。
 厚生労働省の調査でも、企業の女性管理職の割合は16年度で12%にとどまり、「30%」目標には程遠い。割合は徐々に増えているものの、出産、子育ての負担に阻まれ、不本意な離職に追い込まれる女性は後を絶たない。
 待機児童の解消や長時間労働の是正をはじめ、仕事と育児の両立への支援が急がれるのはもはや言うまでもない。男性の育児休業制度の取得率でも日本は3%程度で、女性の管理職割合が4割近いスウェーデンは90%を超える。
 大企業に女性登用の行動計画を義務付けた女性活躍推進法が昨年施行され、政府も啓発に躍起だ。女性の人材育成や復職制度を新たに創設するなどの例が見られ始めている。一方で、圧倒的に多い中小企業への広がりはまだ難しいのが実情だ。
 女性の感性や能力がより生かされる社会へ、国民意識の醸成も欠かせない。妊娠したり、子育て時間を保とうとしたりする女性国会議員がネット上などで非難されるケースが起きている。
 衆院選で子育て支援を優先公約に訴えた安倍首相は、トランプ米大統領の長女イバンカ大統領補佐官が設立に関わった女性起業家支援基金への約57億円の拠出を表明した。外交アピールに終わることのないよう、足元の「女性が輝く社会」の実現を急ぐよう求める。
カテゴリー: 社説


ページトップへ