2017.10.22 08:00

【2017衆院選 きょう投票】将来に向け意思を示そう

 突然の解散で短期決戦になだれ込んだ衆院選が投票日を迎えた。
 安倍首相は「国難突破」のための解散と強調したが、どれだけの人が納得できただろうか。与野党が有権者に分かりやすい論戦を展開できたのかも疑わしい。
 それでも衆院選は政権選択の重要な場だ。各党の公約や各候補の街頭での訴えをいま一度吟味し、しっかりと意思表示をしよう。
 最大の争点は約5年に及ぶ「安倍政治」への評価だ。前回2014年の衆院選で安倍政権は一応の信任を得たが、その後の政権運営は党内からも批判が相次いだ。
 安全保障関連法や「共謀罪」法の強引な成立手法、森友・加計学園問題への対応もそうだ。国民に約束してきた経済政策アベノミクスや財政再建の成果も疑問符が付く。
 解散により国民は改めて安倍政治に審判を下す機会を得た。より厳しい目で判断する必要があろう。
 野党がこの1カ月弱の間に招いた失望も大きい。二つの新党が発足し野党第1党だった民進党は事実上解党した。無所属での立候補も相次いだ。有権者の判断は悩ましいものになりそうだ。
 自民党は今回、公約に憲法改正を掲げた。自衛隊の明記▽教育の無償化▽緊急事態対応▽参院選「合区」の解消―の四つの改憲項目を挙げたことが特徴だ。
 希望の党や日本維新の会も改憲志向であり、選挙後に論議が加速する可能性が出てきた。だが、選挙戦では改憲の必要性などについて論議が十分だったとは言い難い。
 教育無償化は社会保障や財政再建にも絡む問題だ。自民党は、財源に消費税増税分の一部を充てる政策を掲げた。国の借金返済に充てるはずだった資金を回せば、結局は将来世代の負担につながりかねない。
 野党も多くが教育無償化を掲げたが、やはり財源について責任ある説明に欠けた。消費税増税そのものの見送りを掲げた党もある。与野党共に真に国民に訴えるべき課題から逃げた印象が拭えない。原発政策や地方創生も同様だ。
 気になるのは投票率だ。前回選挙は全国、県内とも戦後最低を記録した。県内は50・98%で、ほぼ2人に1人が棄権した。このような状況で再び政権選択が行われることは避けたい。
 政治は一度の投票では変わらないかもしれないが、有権者が諦めずに意思表示を続けることが大切だ。それによって緊張感が生まれ、新陳代謝も起きる。
 とりわけ若い世代にとって、将来の暮らしに関わる重要なテーマが争点になっている。18歳選挙権が導入されて初の衆院選でもある。思いを1票に反映させてほしい。
 最高裁判所裁判官7人の国民審査も同時に行われる。「憲法の番人」にふさわしい人物かどうか判定することも主権者に課された責務だ。
カテゴリー: 社説


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