2017.10.19 14:30

【71回県展 特選画廊】(8)書道「杜審言詩」吉田美玖(東京都板橋区)

一本一本きちんと

 大東文化大学の学生だった4年前に続き、再び特選に輝いた。「喜びより『えっ、うそ』って感じでした」と柔らかに笑う。

 題材候補から「季節がぴったり」と、中国唐代の詩人が詠んだ秋の詩を選択。字の画数のバランスもちょうどいいと感じた。

 「地元の祖母が、県展に毎年見に行ってくれる。できれば賞を取りたい」。そんな理由もあって、得意の書体で挑戦。横の広がりを心掛けた隷書(れいしょ)を基本に、木簡調のリズミカルな線質を意識した。

 特に気を付けたのは「字間・行間や全体のまとまり、作品の流れ」。100枚以上書いた中から、墨の乗りが良かった1点を選んだ。

 昨年までは「この線を見て」という“見せ場”を作っていた。だが師事する書家、新井光風氏から「一本一本の線をきちんと書いてこそ」と指導を受け、線を伸ばして目立たせる工夫はやめた。代わりに、渇筆などのあらゆる線を丁寧に、半紙に書く練習を重ねた。

 「高知で個展を開きたいんです。もっとうまくなったら」。そう謙虚に夢を語る25歳。まだ東京で頑張るつもりだ。

よしだ・みく 1992年高岡郡中土佐町生まれ。読売書法会所属。褒状2回。特選2回目。

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カテゴリー: 文化・芸能県展文化


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