2017.10.17 08:00

【中国共産党大会】習氏の「1強」は進むか

 中国共産党の第19回党大会が18日開幕する。
 5年に1度開かれる党大会は党の路線や指導部人事を決める最も重要な会議だ。大会の決定は今後5年間の中国の基本方針となり、経済や外交、安全保障などさまざまな分野に大きな影響を及ぼす。
 注目点の一つは人事だ。2期10年の任期に変更がなければ、習近平総書記(国家主席)は5年後に退任する。その後を担う人物は今回、指導部入りすることになる。
 2012年に総書記に就任した習氏は自らの権力強化に力を注いできた。その手段として活用したのが反腐敗運動だ。格差の拡大や幹部の腐敗に不満を募らせる庶民に対する求心力につなげるとともに、政敵らを次々に追い落とした。
 その中には次世代のホープとみられた地方トップも含まれる。自らの側近を登用して権力基盤を固め、長期的な影響力の確保もにらんでいるのだろう。むろん、反発も強いはずだ。狙い通りにいくかどうかが人事の焦点となる。
 イデオロギー政党として、習氏の指導理論・思想を党規約にどう書き込むのかという問題もある。「習近平」の名を冠した「思想」「理論」が明記されれば、江沢民元主席や胡錦濤前主席を超えることになる。
 毛沢東思想、鄧小平理論に次ぐ権威付けには、反発があって当然だろう。既に習氏に対する「個人崇拝」は広がり始めており、それが加速すれば毛沢東時代のような社会に戻りかねない危うさがある。
 一党独裁体制の強化にも躍起だ。習指導部は独裁体制を揺るがしかねない言論への統制を強めてきた。とりわけ強化しているのはインターネット空間の監視と取り締まりだ。格差拡大や環境汚染など社会の矛盾が大きくなる中、自由な言論に対する危機意識の表れだろう。
 世界第2の規模となった経済の分野でも、党の支配を強めている。民間企業の海外投資先まで統制するなど、習指導部の初期に期待された経済の自由化路線は遠のいてしまったといってよい。
 党大会を通じて習氏の「1強」体制が盤石のものとなれば、国家目標として自ら打ち出した「中華民族の偉大な復興」の実現に向けて突き進むだろう。経済や外交、軍事などで国際社会にさまざまな影響を与えずにはおかない。
 強大となった経済や軍事を背景にした影響力の拡大は、これまでも近隣諸国をはじめとする国際社会とのあつれきを生んできた。南シナ海での緊張の高まりはその一例だ。
 米国との関係がどうなっていくのか。日本との関係改善は進むのか。対北朝鮮の政策は。そうした多くの問題は中国の今後の動きに大きく左右される。
 経済で強く結び付いた世界にあって、責任ある大国としての中国に求められるのは国際協調を重視する姿勢だろう。党大会の決定が打ち出す方針を注視したい。

カテゴリー: 社説


ページトップへ