2017.10.16 14:15

【71回県展 特選画廊】(5)写真「涼感」玉野昌博(高知市)

「涼しさ」と「赤さ」

 高低の落差が際立つ滝を目の前にすれば、手にしているカメラを思わず縦に構え、その迫力と全容を撮影しようと試みるだろう。

 この「涼感」と名付けられた作品は、仁淀川町中津渓谷にある「雨竜の滝」を撮影したものだ。縦ではない横の構図によって、名所である滝の風景に新味とミステリアスな雰囲気も加えている。

 2年前の夏、午後2時ごろだった。滝を見上げていた。

 「ああ岩が赤いんだな。それにしても涼しいなあ」

 そんなふうに感じていると、ふと「涼感」という言葉が浮かんだ。滝の風景写真というよりも、この「涼しさ」こそを撮ろうと思った。

 「カメラを構えると、本当に涼しかった。それと岩の赤い部分が、まるで舌のようにも見えたんです」

 若い時からカメラを趣味としていたが、30歳ごろからは仕事に忙殺される日々だった。そしてリタイアした80歳ごろから再びカメラを手にした。

 「もう若いころのようには動けませんが、今までにない風景写真を撮りたいですね」

たまの・まさひろ 1932年高知市春野町生まれ。初特選。

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カテゴリー: 文化・芸能県展文化


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