2017.10.15 08:00

小社会 日露戦争が開戦する前年の1903年、日本の新聞・言論…

 日露戦争が開戦する前年の1903年、日本の新聞・言論史上に特筆すべき事件が起きた。日刊新聞「万朝報」が非戦論から開戦論に転じたことを受け、幸徳秋水、堺利彦らが退社。彼らは「平民新聞」を創刊し、反戦論を展開する。

 「万朝報」の創刊者・黒岩涙香、秋水はともに本県出身。同じ釜の飯を食べた同郷人でも、信念が違えば仕方がない。秋水と利彦は「万朝報」に「退社の辞」を書いた。

 「自分たちは不幸にして対ロシア問題に関して万朝報紙と意見を異にすることになった」「やむを得ずの退社」と述べて、敵対色はなく格調は高い。涙香も秋水らの功績をたたえ、別れを惜しむ文を掲載したという。

 秋水らの「退社の辞」は、開戦ムードに染まりつつある社会に一石を投じた。見習い工員だった若き荒畑寒村は、この一文に感激し、社会主義の道に生きる決意をした。だが反戦の「孤塁」を守った「平民新聞」に官憲は発行禁止などの激しい弾圧を加え、やがて廃刊となる。

 「退社の辞」は、新聞の言論が多様性を失っていく過程の「分かれ道」だったのだろう。戦争となれば、権力は手段を選ばず少数意見を抹殺にかかる。先の大戦でも同じコースをたどり、新聞も教訓を生かせなかった。

 衆院選のさなか、きょうから新聞週間が始まる。さまざまな情報があふれる時代。少数意見を含む多様な見方を尊重し、読者に提供すると改めて心したい。


10月15日のこよみ。
旧暦の8月26日に当たります。 きのと ゐ 四緑 先負。
日の出は6時10分、日の入りは17時33分。
月の出は1時20分、月の入りは15時00分、月齢は24.9です。
潮は若潮で、満潮は高知港標準で1時57分、潮位152センチと、15時28分、潮位171センチです。
干潮は8時35分、潮位57センチと、21時33分、潮位91センチです。

10月16日のこよみ。
旧暦の8月27日に当たります。ひのえ ね 三碧 仏滅。
日の出は6時11分、日の入りは17時31分。
月の出は2時23分、月の入りは15時40分、月齢は25.9です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で3時12分、潮位163センチと、16時07分、潮位180センチです。
干潮は9時34分、潮位53センチと、22時14分、潮位73センチです。
カテゴリー: 小社会コラム

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