2017.10.09 08:00

【衆院選あす公示】安倍政治の継続か否か

 衆院選があす公示され、22日の投開票に向けて選挙戦が始まる。
 衆院選は政権をどの党、誰に託すのかの選挙だ。2014年12月の前回衆院選から3年近くになる。これまでの安倍政治をどのように評価するかが、最大の争点であることはいうまでもない。
 安倍政治の特徴は強権的な姿勢にある。憲法や国会審議をないがしろにする手法といってもよい。国民の懸念や疑問を置き去りにして、強引に成立させた特定秘密保護法、安全保障法制、そして「共謀罪」法が最たるものだ。強引さは今回の「大義のない」解散にも表れた。
 解散がなければ、臨時国会で真相解明をさらに進めなければならなかった森友・加計(かけ)問題を忘れるわけにはいかない。公正な行政への疑念を生じさせた問題は、安倍「1強」体制の産物ともいえる。
 多くの有権者が投票の際に重視するとしているのが景気や雇用などの経済対策だ。5年近くになる「アベノミクス」で、大企業などは潤ったものの、国民の多くは恩恵を実感できないでいる。
 年金・医療や少子化対策などの社会保障への関心も当然ながら高い。現在、そして将来への不安が個人消費などに影響を及ぼしているのは間違いない。安倍首相は消費税増税時に税収の使途を大幅に変更する方針を打ち出したが、財政健全化は先送りとなる。どう財源を確保するのかを含めて重要な争点だ。
 このほか、教育や働き方改革、格差の是正、そして地方の再生など、将来の世代を含めた私たちの暮らしを左右することになる重要なテーマが数多くある。
 様変わりした戦いの構図も見逃せない。希望の党の結成と、それに伴う民進党の事実上の解党によって、3極が争う形となる。政権与党の自民党と公明党、希望の党と日本維新の会、そして立憲民主党と共産党、社民党のまとまりだ。
 選挙公約を見ると、自民党と希望の党は消費税増税と原発政策で対立するが、改憲と安保法制への姿勢では大きな違いはない。安保法制などで主張が異なる立憲民主党などとの差異の方がより明確だ。
 選挙の結果、改憲勢力がさらに膨らむ可能性がある。改憲は国会による発議を経て、最終的に国民投票で決めるとはいえ、この国の針路に深く関わる国会審議が加速していくことも予想される。
 そうであるなら、改憲に前向きな各党はその内容とともに、目指す国の姿をより明確にしていく必要がある。公約に掲げた他の政策でも、与野党を問わず多くの曖昧な点があることは否めない。各党、各候補者は選挙戦を通じて、具体的に語るよう求めたい。
 今回の衆院選は、5年近く続いた安倍政治の継続を望むのか否かを問うと同時に、この国が進む方向を選択する意味も持つ。有権者は公約を点検し、舌戦にしっかりと耳を傾けて、投票に臨みたい。
カテゴリー: 社説


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