2017.09.22 08:00

【二階氏の発言】疑惑隠しの本音がのぞく

 安倍首相は今月28日に召集予定の臨時国会で自らの所信表明演説や代表質問などを行わず、冒頭でいきなり解散する方針だという。
 一体何のための解散なのか。通常国会で真相解明どころか、疑問がさらに膨らんだ森友・加計(かけ)両学園の「疑惑隠し」ではないか。
 そういぶかる思いは、野党だけでなく多くの国民の中にくすぶっていよう。共同通信が今月上旬に実施した世論調査でも、加計学園の獣医学部新設に関する政府の説明に、77・8%もの人が「納得できない」と答えている。
 疑惑隠しの解散・総選挙を打ち消すためだろう。自民党の二階幹事長は記者会見でこう答えた。
 「われわれはそんな小さな、小さなというか、そういうものを、問題を隠したりなどは考えていない」
 森友・加計問題は決して「小さな問題」などではない。臨時国会が通常通りの日程で開かれれば、間違いなく厳しい野党の追及が待ち受けているはずだ。
 加計学園は首相の長年の友人が理事長を務め、森友学園が設立しようとした小学校の名誉校長に首相の妻昭恵氏が一時就任していた。それらの関わりで行政の公平な手続きがゆがめられたのではないか。疑惑の核心は極めて「大きな」問題だ。
 そのことは二階氏ほどの政治家なら当然、分かっていよう。だが事の重大性ゆえに衆院選に与える影響を恐れ、「小さな問題」としてやり過ごしたい、疑惑を隠したいという安倍政権の本音が出た。そう考える方が自然だろう。
 東京都議選に惨敗し、支持率が急落して以降、安倍首相は「反省」と「丁寧な説明」を繰り返している。しかし政権の対応は、「国会軽視」としかいいようのない状況が続いている。
 加計問題に関し、民進党など野党4党は6月下旬、臨時国会の早期召集の要求書を衆参両院に提出した。憲法53条の衆参「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は(臨時国会の)召集を決定しなければならない」との規定に基づく。
 むろん冒頭解散など想定しない時期の要求だ。だが安倍政権は召集期限の定めが規定にないのをいいことに、野党要求を拒否し続けた。
 その不当性を証明するのが、自民党が野党時代にまとめた憲法草案にある。53条の臨時国会については、前記の「四分の一」規定に加えて「要求があった日から二十日以内に召集されなければならない」と召集期限を設けているのだ。
 自民党は政権与党に返り咲いた後も、この規定を見直していない。同じ政党でありながら、憲法を野党時代と与党時代で使い分ける。草案全体の信頼性にも関わる。
 森友・加計問題では、鍵を握る昭恵氏や加計学園理事長・加計孝太郎氏の国会への参考人招致も実現していない。隠そうとしても、事実解明の要求が消えることはない。

カテゴリー: 社説


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