2016.03.29 15:49

2016参院選 18歳の一票(2)  若者VS高齢者じゃない!?

高知県幹部にまちづくりについて語る高校生ら(高知県庁)
高知県幹部にまちづくりについて語る高校生ら(高知県庁)
 「お年寄りが活躍する場所は十分にあると思う。むしろ、若い子がしたいことができない。『行きたい!』って思える場所がない」

 3月18日。高知西高校2年の恒藤晶さんが、高知県の幹部に熱く語り掛けていた。

 「公共の建物にしても、造る際のテーマが『自然』とかで同じですよね。それでは利用する人が変わらない。奇抜で、新しいものを取り入れていい。本当に若い子の流出を止めたかったら、その世代が求めるものを用意してって、思うんです」

    ◇  

 2月中旬、政治参加を考えるワークショップが高知市内で開かれた。

 参加者は高校生や大学生ら約100人。グループごとに「10年後の高知県」のテーマで意見を交わし、恒藤さんら3人のグループの発表内容が投票でグランプリに選ばれた。

 高知県選挙管理委員会の仲立ちで高知県庁に政策提言に訪れた3人に、梶元伸総務部長はこう答えた。

 「税金使ってると、思い切りにくいのよ。みんなが『まあ、しゃあないか』と思うぐらいを目指してるかもしれない。ちょっとエッジを利かせる戦略が必要かなあ…」

 「シルバーデモクラシー」という言葉がある。年齢の高い層の意見が中心となって運営される政治のことだ。高齢者の方が投票に行き、政治家から見れば「票になる」。逆に、投票率の低い若年層の声は政治に届きにくくなる―。

 そんな視点から、若者たちに対し、「投票しないと損」「だから政治に参加せよ」という提言、苦言もなされる。

 高知新聞のアンケートによると、高校2年生が投票に行く理由のトップは「国民として投票すべきだと思うから」(53・0%)。次いで「若者の意見を政治に反映してほしい」(22・5%)だった。

 こうした声を踏まえた上で、高知大学講師の遠藤晶久さん(37)=政治学=は「18歳だからといって『若者』として投票しなくてもいい」と、少し視線をずらしたアドバイスも送る。

 「『うちのおじいちゃん』や『セクシュアルマイノリティー』のことを考えて投票する自由だってある。お年寄りが『孫』のために投票する、ということも十分にあり得ますから」

 利益の配分は、必ずしも世代間が対立する構図だけでなされているわけではない。若者も数十年後には高齢者になる。利害は実は自己の中ではつながっている―との考え方だ。
  ◇  

 若者を含め、各世代が政策や投票をどう考えればいいのか。

 1993年、当時の高知県知事、橋本大二郎さんが「ある村に広いグラウンド用地があったら…」という仮定で所感を示したことがある。

 「高齢者対策として造るのは、常識的にはゲートボール場。しかし、発想を転換させるならテニスコートかサッカー場。若者がいて初めて、高齢者対策は成り立つからだ」

 話はこう続く。

 「ゲートボール場を造るから、遊び場のない若者は村を離れ、ますますお年寄りは取り残される」



ページトップへ