2016.03.26 16:02

小社会 大きな声では言えないものの、「昭和の三大バカ査定」…

 大きな声では言えないものの、「昭和の三大バカ査定」という言葉がある。通常は「戦艦大和・武蔵の建造」「伊勢湾干拓事業」と「青函トンネルの建設」を指している。

 三つの事業はいずれも国家的プロジェクトで、それぞれに時代や内容は異なる。それらをひっくるめて「三大バカ」と称するのは尋常ではないが、根底には時代の変化を読み誤った「無用の長物」ではないか、との問いがあるようだ。

 この発言が飛び出したのは1987(昭和62)年で、言ったのは国の予算の査定を担当した当時の大蔵省主計官。やり玉に挙げられたのは北海道と本州を結ぶ青函トンネルの建設で、翌88年に開業を控えていた。

 道民の悲願でもある海底トンネルの工事は、東京五輪が開かれた64年に調査坑の掘削が始まっている。軟弱な地盤に高い水圧、異常出水も重なって工事は難航し、何度も中断。10年で完成という工程は延びに延び、工費も膨らんだ。

 事態を複雑にしたのはトンネル全体の計画変更だ。当初は在来線だけだったのに、途中から新幹線が加わった。工費はさらに増加。調査坑からでも23年というタイミングで出てきたのが「バカ査定」発言だった。

 北海道新幹線がきょう開業する。所要時間は大幅に短くなるが、航空機と高速道の時代に戦時の大艦巨砲の二の舞いとなる恐れはないのか。新幹線の走りには、バカ査定への反証を身をもって示す意味もある。
カテゴリー: 小社会コラム


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