2017.07.10 08:00

小社会 先日の小欄で書いた本離れ、出版不況の話の続きに…

 先日の小欄で書いた本離れ、出版不況の話の続きになるが、きょう7月10日は「岩波文庫」の創刊90周年に当たる。昭和の初め、出版各社が岩波に続き、最初の文庫本ブームが起きた。

 現在も岩波文庫の巻末に掲載されている発刊の辞「読書子に寄す」は三木清が起草し、岩波書店の創業者・岩波茂雄の署名で発表された。知識と美を特権階級の手から奪い返し、民衆の要求に応えるという趣旨に、当時の心意気が見える。

 その目的を実現するには、まず価格が安いこと、そして携帯に便利な小型でなければならない。文庫本の基本的な要素は、このとき固まったといえそうだ。

 人々が活字に飢えていた終戦直後など、何度かの文庫本ブームがあった。そのたびに新しい出版社が参入し、書店の棚は今も多種多様な文庫本でカラフルに彩られている。古典や名著が中心だった昔とは趣を変え、ベストセラーや趣味の本などバラエティーに富む。

 そんな中、例えば夏目漱石の本は複数の出版社から出ている。日本文学の理解に欠かせない古典や近現代の小説も、しっかり書棚に位置を占めている。東日本大震災の後、寺田寅彦の「天災と国防」などが装いも新たに文庫コーナーに並び、再評価されてもいる。

 名著とはこうして次の世代へと受け継がれていくのだろう。民衆に知識を解放し、普及を図るという文庫本の初心は、目立たずとも脈々と息づいていると思う。


7月10日のこよみ。
旧暦の閏5月17日に当たります。つちのえ いぬ 二黒 先負。
日の出は5時04分、日の入りは19時19分。
月の出は20時00分、月の入りは5時49分、月齢は16.0です。
潮は大潮で、干潮は高知港標準で0時26分、潮位90センチと、12時46分、潮位20センチです。
満潮は6時02分、潮位183センチと、19時27分、潮位181センチです。

7月11日のこよみ。
旧暦の閏5月18日に当たります。つちのと ゐ 一白 仏滅。
日の出は5時04分、日の入りは19時18分。
月の出は20時42分、月の入りは6時43分、月齢は17.0です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時00分、潮位88センチと、13時19分、潮位21センチです。
満潮は6時37分、潮位184センチと、19時59分、潮位181センチです。

カテゴリー: 小社会コラム


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