2016.03.24 15:25

小社会 高知市の桜開花の報はまだ届かないが、桜の花の…

 高知市の桜開花の報はまだ届かないが、桜の花の盛りは1週間ほどといわれる。低気圧が数日の間隔で通り過ぎていく時季でもあるから、見頃がさらに短くなることも少なくない。

 手元の辞典には出ていない、「花一時(いっとき)、人一盛(ひとさか)り」という古いことわざを思い起こす。花が咲き誇る期間がわずかでしかないように、人が盛んな時もごく短いという意味だ。使われなくなったのは昔に比べて人生が長くなったことが関係しているかもしれない。

 多くの人が巻き込まれたベルギーの首都ブリュッセルでの同時テロ。犠牲者の中には人生の最盛期にあったり、これから迎えようとしていたり、という人も少なくないだろう。それを奪ったテロの残虐さに言葉が途切れてしまう。

 卑劣なテロの実行者にも思いをめぐらす。自爆テロには殉教への憧れがあるとされるが、彼らはそこに人生の盛りを見つけ出そうとしたのか。だとすれば、洗脳したとみられる過激派組織「イスラム国」(IS)の指導者に対する怒りがふつふつとわき上がる。

 ISには欧州をはじめ世界各地から若者が加わっている。何が駆り立てているのか。格差の拡大や差別などによる閉塞(へいそく)感、将来への絶望があるのなら、ISへの軍事攻撃だけでは解消しない。温床をなくす取り組みは十分なのか。

 相次ぐテロとは無縁のイスラム教徒やアラブ系の人たちへの憎悪、差別がさらに強まることを危惧する。
カテゴリー: 小社会コラム


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