2017.06.10 09:00

宝石サンゴ保全加速へ 90株のサンゴ片放流で増殖促す

コンクリート製の漁礁にアカサンゴ片を接着(土佐清水市沖)
コンクリート製の漁礁にアカサンゴ片を接着(土佐清水市沖)
 宝石サンゴの資源保全に向け、人工漁礁の設置に取り組む高知県サンゴ漁業連絡協議会(浦尻和伸会長)は6月9日、高知県土佐清水市のサンゴ船主組合と協力し、過去最多となる計90株のサンゴ片を接着した人工漁礁22個を土佐清水市沖に沈めた。浦尻会長は「採るだけがサンゴ漁業ではない。次世代に資源を残す取り組みを加速させたい」としている。

 サンゴの移植事業は、黒潮生物研究所(中地シュウ所長)が受託し、移植方法を研究している。2016年1月~2017年2月までの計3回、柏島沖に1~3センチのアカサンゴ片計80株をコンクリート製の漁礁に接着して投入。一部を引き上げ調べると、組織が成長していたことから「増殖が技術的に可能となった」とする。

サンゴ片を接着した人工漁礁を投入する漁業者(土佐清水市沖)
サンゴ片を接着した人工漁礁を投入する漁業者(土佐清水市沖)
 今回の投入は、一般の漁師も参加して漁船10隻で実施した。黒潮生物研究所が用意した3センチほどのアカサンゴ片90株を漁師らが22個の漁礁に接着。土佐清水市の叶崎沖2~3キロ、深さ100メートルほどの海底に沈めた。

 投入海域は禁漁区で誤採取の心配はないという。中地所長によると、1度の投入数は過去48株が最多。今回90株に倍増させたことで「それぞれが成長し産卵すれば周辺で増殖し、宝石サンゴ群落が形成される可能性がある」と期待する。

 高知県サンゴ漁業連絡協議会は今後、室戸市沖での放流も計画中。中地所長は「将来的には高知県内で年間100~200株程度の投入を継続的に行い、効果的な資源保護につなげたい」としている。

カテゴリー: 環境・科学幡多


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