2014高知豪雨
2014年8月15日朝刊

豪雨被害の高知県四万十市で439号通れず住民悲鳴

市街地へ余分に1時間超

 台風11号の大雨の影響で亀裂が入った高知県四万十市伊才原の国道439号で通行止めが続き、現場以北の住民678人の足に大きな影響が出ている。四万十市街地への通勤や通院には、余分に1時間以上かかる山道を通行。復旧の見通しは立っておらず、仮設道の設置にも数カ月かかる見込みで、「これでは生活が立ちゆかない」と悲鳴が上がっている。

 国道439号を管理する高知県幡多土木事務所によると、2車線の路面を横断する形で亀裂が2本入り、山側や、国道下を流れる後川までの斜面に崩落が発生。山全体で地滑りが起きたとみられ、亀裂は日々広がっているという。後川に仮設橋を渡して対岸を通る迂回(うかい)路案が上がっているが、実現までの日数も見通せない状況だ。

 現場以北には大用や住次郎、小西ノ川など8地区に317世帯678人が暮らしており、中心市街地に至る最短ルートが断絶された。迂回するには、幡多郡黒潮町蜷川や高岡郡四万十町打井川、家地川などの県道を経由し、国道56号まで出る必要がある。

 県道には行き違いに苦労するような箇所や崩落が懸念される場所も。片道20分程度だった四万十市大用―市街地間が1時間半〜2時間を要するようになった。

 地区外に通勤・通学する人や買い物に出向く人は多く、時間的な負担の上に「車の燃料代が数倍に跳ね上がる」との声が上がる。通院する高齢者にとっては、山道を含む長時間の移動が健康面に影響する恐れもある。既に市街地でアパートを借りた人、高齢者施設への通所を断念した人、家族の介護と両立できず、仕事に出られなくなった人もいるという。

 大用で鮮魚店を営む谷田千恵美さん(57)は仕入れでほぼ毎日、四万十市中心部まで往復。大用保育所の給食用の仕入れも請け負い、店には1人暮らしの高齢者が食料を買いに来る。「山道の運転は怖いし、大変だが、休むわけにいかない。本当にきつい」と嘆く。

 13日には、四万十市が生活への影響について住民と意見交換会を開催。中平正宏市長ら四万十市幹部に対し、約50人の出席者からは「早急に仮設道を設置して」と要望が相次いだ。「1人でも看護師に常駐してもらえれば安心できる」との声も上がった。

 中平市長は「県と協議しながら、四万十市としてもできる限りのことをし、一日も早い仮設道の設置を目指したい」と話していた。

【写真】大きく亀裂が入った国道439号 (10日午前、高知県四万十市伊才原)




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