2014高知豪雨
2014年8月12日朝刊

台風11号、県内農業への爪痕深く 被害6億円超も

 9日から10日にかけて高知県を直撃した台風11号で、園芸ハウスの損壊や作物の浸水被害などが続出した。復旧作業を余儀なくされた農家の表情は“台風一過”とはいかず、「耕作をやめようか」の声も出るなど、爪痕は深い。高知県農業振興部によると、被害額は直前の台風12号による大雨(6億2122万円)を上回る見通しという。

 高知県農業振興部の11日までの集計によると、ハウスなどの施設被害は県内全体で千棟を超える。安芸市西浜の男性(72)は来月ナスの苗を植える予定だったが、20アールのハウスが全壊。「建て直すには1千万円以上。よう払わんし、もうやめな仕方ない」と肩を落とした。

 安芸市の入河内地区では、伊尾木川からあふれ出た水や土砂、流木がユズの木を倒すなどした。有沢精一郎さん(65)は、低地にある畑が2メートルほど浸水して多くのユズ玉が濁水に漬かってしまい、「ほぼ全滅。11月に収穫するつもりだったけど、もう黒ずみかけた実もあり、流木をのける気力もないし、ここでの耕作をやめようかと家族で話しゆう」。

 土佐市浅井の黒岩功さん(70)のショウガ畑は12号の大雨に続いて浸水し、「悪かったら全部廃棄。できる限りのことをする」と病気の発生防止へ消毒作業に懸命。

 土佐市宮ノ内のブンタン農園では実に近い枝がねじれ、宮地秀憲さん(72)は「1割ぐらい生産が落ちるかもしれない。もっと早く過ぎていれば」とノロノロ台風を恨んだ。

 新高梨の産地の高知市針木地区も被害を受け、秋の出荷を前にすくすく育っていた実が次々と落下。石黒幹雄さん(71)は「5〜10%ぐらいやられた。処分するしかない」と諦め顔で、「これだけで済んでくれたらえいが…」と、さらなる台風の襲来がないことを祈っていた。

 高知県農業振興部によると、2009〜13年度の自然災害による農作物などの被害額は、11年の台風6号時が4億1997万円で最大。この8月はこれを上回る被害が2回続けて起きたことになる。

【写真】風で落ちた新高梨を拾い上げる石黒幹雄さん(11日午後、高知市針木地区)



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