2014高知豪雨
2014年8月11日朝刊

豪雨で高知県西部水浸し 窪川の排水路越流で断水も

 のろのろと北上し、10日早朝に高知県安芸市付近に上陸した台風11号。夜通し吹き荒れた暴風雨は夜中の河川増水、避難指示という緊張を住民に強いた。不意打ちの12号豪雨から1週間。追い打ちとなった11号豪雨は、浸水や土砂災害の爪痕を再び高知県内各地に残した。

 高岡郡四万十町の窪川地域中心部で10日未明、四万十川の支流・吉見川に流れ込む排水路があふれ、四万十町内で少なくとも床上162棟、床下158棟が浸水した。四万十川も氾濫危険水位を超えて一時越流、夜の町をのみ込んだ。

 「水位がどんどん上がっている。10年前の二の舞いになる」
 台風11号が近づいた9日午後10時、四万十町茂串町のポンプ場を見守る町職員の頭をよぎったのは、2004年10月の台風23号。四万十川の水位が上昇して吉見川に流れ込む排水路があふれ、商店街など四万十町中心部で200棟以上が水に漬かった。

 午後11時、四万十町は四万十川の水位上昇を受け、水門を閉めて備え付けた5本のポンプを稼働。排水路の水は吉見川にスムーズに流れ、水位は下がるはずだった。

 だが、動きの遅い台風の影響で10日に入っても時間雨量40ミリ超の雨が続き、排水路があふれて近くの道路が冠水。四万十町は吉見川が氾濫する危険性があるとして、午前1時5分に3地区504世帯、1047人に避難指示を出した。

 町職員や消防団が戸別に呼び掛け、60世帯126人が榊山町の四万十町農村環境改善センターへ避難。吉見川のそばに住む女性(75)は「雨の中を歩いて来たからちょっと寒い。家が気掛かり…」と肩を振るわせた。

 午前2時には吉見川に隣接した本町と吉見の商店街が冠水。しばらくすると四万十川や吉見川からも水があふれ、商店街は最大1メートル近い浸水で川のようになった。

 四万十町中心部の2539世帯に上水道を提供する四万十町窪川浄水場も、最大で約1・5メートル浸水。ろ過装置の電源やモーターなどが水没し、10日から各地が断水した。

 四万十町上下水道課は「復旧の見込みは立たない」とし、24時間態勢で四万十町役場庁舎前や旧役場前、窪川中学校に給水車を配置。飲食店やスーパー、病院には、優先的に給水タンクを回し、医療や日常生活の維持に努めている。

【写真】吉見川に流れ込む排水路の水をポンプでくみ上げたが、降り続く雨で水位は上昇し続けた(10日午前0時50分ごろ、高知県四万十町茂串町)

四万十町にも災害救助法適用

 高知県は10日、台風11号で大規模な断水が発生している高岡郡四万十町に、災害救助法の適用を決めた。救援活動で国と県の支援が受けられる。適用は9日から。

 四万十町では上水施設が浸水し、自衛隊などによる給水支援が行われているほか、広範囲で床下、床上浸水が発生。継続的な支援が必要と判断した。8月の豪雨に伴う災害救助法適用は4市町目。



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