2014高知豪雨
2014年8月11日朝刊

台風11号上陸で、よさこい本番ぎりぎりの「ゴー」

 ゆっくり進む台風。迫る開始時間。よさこいはできるのか―。祭り当日の10日朝、「よさこい祭振興会」(会長=青木章泰・高知商工会議所会頭)は、予定通り開催することを決めた。その1時間ほど前に台風11号が高知県に上陸。一方で、踊り子が始動するまでわずか3時間に迫っていた。ぎりぎりのゴーサインだった。 

 10日午前7時。高知商工会館(高知市本町1丁目)でよさこい祭振振興会の総務部会が始まった。高知市では暴風雨が収まったとはいえ、台風の強い吹き返しが音を立てていた。

 よさこい祭振振興会は祭りの開催可否を判断するため8日、9日と連日総務部会を開いている。9日の前夜祭は中止したものの、本番は「できる限り踊らせてあげたい」との思いから、当日朝まで判断を保留していた。

 この日の総務部会では、委員らが台風の進路や高知県内の被災状況を報告した。「台風は安芸付近に上陸した」「四万十町では浸水被害が発生している」

 委員たちは険しい表情ながら、「高知市では大きな被害の報告はない」との説明があった。「風、雨とも昼すぎには注意報に変わる」という見通しも示された。

 「やれる」。部会開始から10分足らずで本番開催を決定した。各競演場の準備状況も報告され、開始までに準備は間に合うということが分かった。予定通りの時間での開催に踏み切った。

 ここから各競演場で、あわただしい作業が始まる。追手筋の本部競演場では、強風で道路上に散乱した木の枝やごみが急ピッチで片付けられていく。中央公園競演場では大型スクリーンの設置作業が進む。中央公園競演場では例年なら前夜祭が行われており、当日の設置は異例。

 男性作業員(36)は「広告看板の設置は今日は厳しい。100%(の舞台設営)は無理です」と言いながら、せわしなく手を動かした。

 台風と同時進行でのよさこい開催。参加チームの足にも影響し、参加を断念するチームもあった。

 「早稲田大学よさこいチーム東京花火」は9日夕にバス3台で東京を出発したが、瀬戸大橋で通行止めに遭い、岡山県内のパーキングエリアで約7時間の足止めをくらった。長野智也代表は「高知は晴れているのに、初日に踊れないのは悔しい」。

 愛媛県西条市の「西條 祭彩華」は、西条市内で避難勧告が出た地域があるため出場を見送った。代表の松木小夜さん(47)が「同じ西条で大変な思いをしている人がいるのに、私たちだけ浮かれて踊るわけにはいかない」とメンバーに提案し、全員が受け入れたという。

【写真】本番開催が決まり急ピッチで準備作業が進んだ(10日午前8時半ごろ、高知市追手筋2丁目)



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