2014高知豪雨
2014年8月10日朝刊

「帰るまで家が無事で」 高知県内避難住民 不安な夜

 迫る台風、募る不安――。高知県沖の南海上を台風11号が9日、ゆっくりと北上した。台風12号などによる記録的な豪雨から、まだ1週間。「今回はどれだけ降るのか」「被害が出なければ…」。山あいの人は土砂災害を警戒し、川沿いの人は氾濫に備え、早め早めに避難所に身を寄せた。日付をまたいで強まる風雨に、誰もが不安な一夜を明かした。

 長岡郡本山町では9日午後4時、中心部の本山地区で土砂災害の恐れが強まり、31世帯に避難指示が出された。これを受け、本山地区のプラチナセンターと中央公民館に約50人が避難。「これほど大規模な避難は記憶にない」(本山町幹部)といい、本山町職員らが食事の買い出しや毛布の準備に追われた。

 プラチナセンターのテレビで心配そうに台風情報を見ていた石川正美さん(63)は「自宅近くの水路から土砂混じりの黒い水がどんどんあふれてきて…。指示が出る前にここへ来た」と疲れた表情。手提げかばん一つで避難した森下京子さん(76)は「迎えに来た消防団に車に乗せてもらって…。眠れるか心配です」と話した。

 3日からの豪雨であちこちの道路が土砂に埋まり、今も県道高知本山線が通行止めになっている高知市の土佐山地域。公民館には「また車が通れなくなるかも」などと40人が自主避難した。

 40代の女性は、一家3人で「3日午前からもう5日目」。5日に自宅に戻り、家の外壁まで押し寄せた土砂を撤去していたら、この台風。8日から再び避難した。「何事もなく過ぎてほしい。帰るまで家が無事でありますように」と不安そうな表情を浮かべた。

 9日夕、本山町全域に避難勧告を出した高岡郡津野町。避難場所として開放した西庁舎=力石地区=には2〜95歳の85人が身を寄せた。

 近くに住む又川芳雄さん(82)、静枝さん(83)夫婦は「家のすぐそばに山が迫っていて土砂崩れが怖い。家で心配しているよりも早めに避難した方がいいと考えた」。畳の上で、支給された毛布にくるまった。

 高知県内ではこのほか、激しい雨が断続的に降った宿毛市平田町戸内と押ノ川の国道56号と、四万十市岩田の国道441号が冠水。安芸市穴内甲の海岸線を通る自転車道では、波による浸食で路面が幅2メートル、長さ最大20メートルにわたって陥没し、付近の6世帯に避難指示が出た。

【写真】土砂災害の恐れが強まり、約45人が避難した本山町のプラチナセンター(9日午後6時40分ごろ、本山町本山)



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