2014高知豪雨
2014年8月9日朝刊

よさこい前夜祭中止 本番きょう以降判断

 台風11号の接近に伴い開催が懸念されているよさこい祭りについて、「よさこい祭振興会」(会長=青木章泰・高知商工会議所会頭)は8日、高知市内で総務部会を開き、9日に予定されていた前夜祭の中止を決定した。1991年に始まった前夜祭の中止は2009年以来5年ぶり2度目。10、11日の本番については判断を保留し、9日以降の総務部会で10日の開催可否を決めることにした。

 前夜祭は9日午後5時15分から高知市の中央公園競演場で、昨年の入賞22チームが出場して行われる予定だった。

 総務部会では、台風11号が9日夜遅くから10日未明にかけて高知県に最接近するとの気象予報を基に意見交換。「この状況では中止せざるを得ない」として中止を決めた。反対意見はなかった。

 高知県が台風の暴風域を抜けるのは10日昼ごろとの見通しもあり、10、11日の本番についても協議。ただ、「今の時点では判断できない」として、9日午後と10日朝に再び総務部会を開き、判断することを申し合わせた。

 日程順延の可能性については、振興会事務局が「道路の使用許可取得や競演場のスタッフ確保など短時間では困難」との認識を示し、委員からも「物理的に難しい」などと否定的な意見が出た。

 振興会の方針を取りまとめる総務部会は、主催5団体(高知商工会議所、高知県、高知市、高知新聞社、RKC高知放送)で構成している。

1日だけでも…踊り子落胆

 前夜祭中止の決定に、参加チームの関係者は「やっぱりか…」と落胆。それと同時に「本番は大丈夫か」の不安も漏れる。高知の夏の一大イベントだけに、主催のよさこい祭振興会も難渋。10日からの本番についての判断は持ち越した。ゆっくりと高知県に近づく台風11号。踊り子らはやきもきしながら、開催を信じ準備を進める。

 「上總組」(埼玉)の代表、菊池亜希子さんは、前夜祭中止の決定を振興会からの電話で知った。「中止になるかも」と思ってはいたが、実際に聞くとショックだった。前日まで前夜祭用の踊りの練習をしていただけに、「踊り子の涙顔が頭に浮かんでつらい」と言葉を切った。

 開催か中止かが前日まで決まらず、「『踊りたいね』としか言えないもどかしさがあった」(十人十彩)。多くのチームが同じような気持ちだったが、振興会も難しい判断を迫られ続けている。

 8日に開かれた振興会の総務部会。

 「(10日以降の本番について)判断のタイムリミットは」

 「前日ではまだ決められない」

 予報では、本番初日の10日は、台風が高知県を通過するとみられるが「天候はぎりぎりまでどうなるか分からない」(振興会事務局)からだ。

 総務部会終了後、部会長を務める竹内克之振興会副会長は「やるという前提の下で判断を下したい」と強調。「高知市民全員に避難勧告が出れば(本番も)開催はできない」としながら、「できるだけ踊らしてあげたい」。

 総務部会では「本部のちょうちんや看板設置を省略して定時に開催」「夜の部のみ開催」の想定案も出たが、結論を出すことはなかった。

 台風は接近する。日程もカウントダウンに入る。祭りがあるのかないのか不安なまま、踊り子たちは―。「あることを信じるだけ」

 「西條 祭彩華」(愛媛)は「高知にたどり着けるのか」との不安を持ちながら、10日朝にバスで出発する予定。一方で、高速道路の通行規制やJRの運休が予想されるため、県外チームの中には予定を前倒しして高知入りするチームも多い。

 地方車製作を20年以上手掛ける中嶋康貴さん(41)は、依頼のあった約10台をほぼ完成させた。「いつでも出せるよう9日までに最終チェックを済ませる」と準備万端だ。

 高知市内の知人に倉庫を借りて地方車を作っている「浪花乱風」(大阪)も徹夜覚悟の作業を続ける。チームスタッフは「9日は風も強まると思うけど、なんとしても看板を取り付けます。1日だけでも踊りたい」と話した。

【写真】祭り開催を信じて地方車作りを進める(高知市内)



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