2014高知豪雨
2014年8月7日夕刊

県内豪雨 雨量 歴代災禍に次ぐ 「’98」「台風17号」以来

 台風12号が引き金になった今回の豪雨は、過去に高知県を襲った大雨の中でも最多クラスの雨量だったことが、高知市で観測した気象庁のデータから分かった。2年連続の台風禍のうち後年の「17号豪雨」(1976年)と、県都・高知市が水没した「’98高知豪雨」(98年)に次ぐ記録的な数字が、今回の豪雨の激しさを物語っている。

 「『’98豪雨』以上の雨やないろうか。今はただ(被害が少ないようにと)祈るしか…」

 3日午前9時ごろ、高知市南万々。町内会長、早川昭嗣さん(54)の着るかっぱに、激しい雨がバチバチと音を立てて打ち付けていた。その足元には、紅水川に架かる橋のたもとからあふれた濁流が流れていた。

 日曜日の朝を不意打ちした今回の県都豪雨。高知市内で道路や家屋の浸水が一気に広がった午前5〜11時には、視界が奪われるほどの豪雨が続いた。午前8時20分までの1時間雨量は、今回の大雨で最も多い74・0ミリを記録した。

 ようやく弱まったかと思えば、再び滝のように降り始める…。

 そんな強弱を繰り返し、5日午前5時10分までの72時間に829・5ミリを観測。8月の高知市の最多雨量を一気に更新し、市民に「全市避難勧告」という緊張を強いた。

  【写真】記録的な豪雨で冠水した道路(8月3日午前9時半ごろ、高知市南万々の万々商店街)

  ■     ■

 高知市を襲った豪雨として記憶にいまだ新しいのは、高知市だけで約2万棟の浸水被害が出て、高知県内で8人が亡くなった’98豪雨だ。

 98年9月24日の1時間雨量は、今回の1・7倍に当たる129・5ミリ。24時間雨量も861・0ミリと、いずれも高知市の観測史上最多となっている。

 76年9月に来襲した台風17号も大雨が長時間にわたり、高知県内で死者9人、床上浸水約1万3千棟もの被害をもたらした。

 前年の75年に台風5号で死者77人という高知県内の風水害史上、類を見ない被害が発生。2年続いた惨禍は「連年災害」と呼ばれている。

 台風17号豪雨では、鏡川水系の河川が氾濫し、土砂崩れも多発。48時間雨量933・0ミリ、72時間雨量999・0ミリをそれぞれ観測した。この二つの時間雨量はいずれも’98豪雨をしのぐ。

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 高知市の下水道は、昭和40年代以前に整備された江ノ口や下知、高知街、小高坂など市街地中心部を除き、時間雨量77ミリ(10分当たり12・8ミリ)の豪雨に対応できる基準で整備されている。

 今回の降水量を10分刻みで見ると、浸水被害が多く出た3日朝で最大17・5ミリ。

 ただ、処理能力を連続して超えるような降り方は少なく、高知市下水道整備課は「98年とは雨の降り方が違った。それが浸水被害が比較的小さかった要因の一つではないか」。

 一方で高知市は98年以降、雨水を排水するためのポンプ場機能の強化や下水管の整備を進めてきた。

 ’98豪雨で特に大きな被害が出た高知市東部の大津、一宮地区には三つのポンプ場を新設。潮江南、神田、五台山、瀬戸、海老ノ丸の五つのポンプ場には計8台のポンプを増設した。雨水を流す下水管の延長も97年度末の292キロから365キロまで延びている。

 下水道整備課は「高知市全体で雨水の処理能力は高まっている」とする。



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