2014高知豪雨
2014年8月5日朝刊

日高村浸水 日下川放水路の能力超す 「75年台風」以上の雨量

 3日の豪雨で広範囲にわたる浸水被害が出た高知県高岡郡日高村。1975(昭和50)年の台風5号を教訓に、日下川放水路など計300億円を投じた治水対策事業の効果が問われている。放水路を設置した国土交通省と管理する日高村は、今回の降雨量が台風5号より多かったことなどから「被害軽減の効果はあった」と強調する。しかし、豪雨が放水能力を上回った現実を前に、村民からは「対策が不十分では」との声も出ている。

 75年の台風5号では日高村内を流れる日下川や戸梶川が氾濫。659棟が床上浸水し、土砂崩れで25人が死亡するなど甚大な被害を受けた。

 これ以降、日高村の強い要望を受けた国や高知県が河川拡幅などの治水対策を推進。中でも、国交省が総事業費130億円で整備した日下川放水路は、日高村下分から吾川郡いの町大内まで引いたトンネル(直径約7メートル、総延長約5キロ)で日下川の水を仁淀川に排水。最大で毎秒130トンの排水能力を持ち、日高村のホームページにも「82年の完成後、大きな水害は起きていない」とある。

 ところが、今回の豪雨では日高村東部の下分周辺、南部の沖名、西部の岩目地にかけて131棟が床上浸水。日下川放水路では3日午前から夕方までの間、ごみを除去するために放水路の入り口部分に設置された「除じん機」が、豪雨で流されてきた大量のごみで動かなくなっていたことも判明している。

 ただ、日高村によると、台風5号の連続雨量は4日間で592ミリだったのに対し、今回の豪雨では8月2、3日の2日間で665ミリに達した。また、台風5号で村役場1階が完全に水没したが、今回は役場前の国道33号も冠水しなかったという。

 日高村の担当職員は今回の水位は台風5号より2メートル以上低くなったと推定し、「放水路は一定の効果を発揮した」と説明。国交省高知河川国道事務所の担当職員も「除じん機が動かなくてもその左右の流入口から排水できる。排水量が通常より下がった可能性はない」とした。

 一方で台風5号以来という被害に、村民からは「放水能力は十分か」「除じん機の管理も含めて治水対策を見直すべきでは」といった指摘も。戸梶真幸村長は「雨の降り方が昔と違ってきた。水害に強い村にすべく、国や高知県にしっかり要望していく」としている。

 【写真】日下川の水を排出する放水路(4日午前8時ごろ、日高村下分)



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