2014高知豪雨
2014年8月4日夕刊

浸水被害の日高村「まるで湖だった」 床上浸水130棟以上

 台風12号などの影響による豪雨で130棟以上が床上浸水した高知県高岡郡日高村では、3日夜から徐々に水が引き始め、広範囲で冠水していた国道33号が4日午前2時すぎに開通。18カ所の公的施設に避難(最大265人)していた住民は、夜明けとともに家に戻り、畳を外に出すなどの後片付けに追われた。

 雨水をためる沖名調整池(約12ヘクタール)近くの馬越南団地は、15世帯ほどが床上浸水した。

 「湖の中に家があるようだった」。松田富美子さん(83)方は、玄関口で最大1・6メートルほど水に漬かり、松田さんは3日昼ごろ、消防団のボートで救出された。近所の人は貴重品を入れたプラスチック容器を浮輪代わりにして泳ぐように避難したという。

 松田さんの娘の片岡利恵子さん(43)は家の2階で眠れぬ夜を過ごした。電気が使えずラジオも電波が悪かった。階下の暗闇から「ミシミシ」「ゴボゴボ」。水に浮いた家具がガシャンと音を立てた、と振り返った。

 同じく多くの浸水被害に遭った日高村本郷の岡花地区。美容院を経営する正岡ようこさん(71)は家の片付けに追われながら、「もうめちゃめちゃ。全滅や」とうなだれた。

 1976年の台風災害を経験したという正岡さんは「あの時ほどの雨じゃないと思うて、2階に逃げたけんど、階段の3段目まで漬かって…。ここまで(水位が)来るとは思わんかった」。

 一方、3日に浸水被害が出た吾川郡いの町枝川でも、4日朝から住民が濡れた家財道具の運び出しや掃除に追われた。未明から早朝にかけては一部住宅地の道路が高さ1メートルほどまで再び冠水し、前日に外へ出していた家財道具が流された住民もいた。

 前日に自宅1階が1メートルほど浸水したという田村盛さん(71)は「畳も冷蔵庫も水に浮き、家の中はもうめちゃくちゃ。片付けには何日もかかる」と肩を落とした。

 高知市土佐山では、道路の多くが土砂崩れで通行止めになり、土佐山支所によると4日正午時点で高川地区の6世帯程度が孤立している。土佐山公民館に避難した高川地区の私立学校教員、曽我美佳さん(50)は「3日午前に避難した後にあちこちで土砂崩れが起き、自宅も孤立したようだ。公民館にはラジオしかなく、情報が入ってこないので不安」と疲れた表情で話した。

 嶺北地域でも各地で小規模な土砂崩れが発生して道路が寸断。長岡郡大豊町では北川や久寿軒など計78世帯が、本山町では北山東の1世帯がそれぞれ孤立しているという。

  【写真】床上浸水被害にあった高齢者宅の畳を運び出すボランティア(4日午前9時45分ごろ、日高村沖名の馬越地区)

 工石山、依然孤立 子どもらに食料

 県道が通行止めになり、3日から孤立状態になっている高知市工石山青少年の家(高知市土佐山高川)周辺で、高知県は4日午前、県道の土砂を撤去した。ただ雨量規制による通行止めが解除されないため、3日正午現在、施設内の小中学生ら78人は依然として孤立状態になっている。

 3日早朝に高知県が青少年の家につながる県道を調査したところ、土佐郡土佐町側で10カ所程度の小規模な土砂崩れがあったが、4日午前中に撤去した。一方、3時間連続で雨量がゼロにならないと通行止めは解除されないため、孤立は解消していない。

 県と高知市は4日午後から、軽乗用車が通行できる土佐町側ルートから食材や日用品などを届けている。

 孤立しているのは少年陸上クラブ「土佐JAC」(高知市、31人)と高知少年少女合唱団(高知市、44人)ら計78人。高知市によると、体調不良などを訴えている人はいないという。

 吉野川で不明 男性の遺体発見  徳島

 徳島県美馬市の建設現場で3日、大雨で増水した吉野川に流され、行方不明となっていた東京都青梅市の会社員、須藤豊さん(40)が4日未明、現場近くで遺体で見つかった。

 須藤さんは、冠水した現場から建設資材の回収をしていた3日午後5時ごろ流され、警察や消防などが捜索。建設現場関係者が、水が引いた河川敷で見つけた。



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