07年3月13日付・夕刊

 機長の技 衝撃最小限 全日空機






 13日午前、前輪が出ないため胴体着陸した全日空機は、通常の手順通り主脚から接地した後に滑走を続け、ぎりぎりまでスピードを落としてから機首を下げて機体を滑走路につけた。火災が発生することもなく、乗客、乗員にけがはなかった。機体が受ける衝撃をできるだけ抑えようとした機長(36)の技量の高さがうかがえる。

 脚が出ないトラブルの場合、一部の車輪だけを接地させて、その衝撃で脚を下ろそうとする「タッチ・アンド・ゴー」が対応マニュアルに含まれている。今回も試みられたが、前輪は下りなかった。

 脚の上げ下ろしは油圧を使うが、万一の場合、手動でも操作できるようになっている。全日空によると、手動でも前輪が出なかったといい、原因究明のポイントになりそうだ。

 また、胴体着陸前には燃料をできるだけ消費して、着陸時の火災のリスクを減らすことが求められる。トラブルの起きた全日空機は約2時間上空を旋回した後に、着陸した。

 全日空の元機長で航空評論家の前根明さんは「機長はよくやった。手順通りの対応をした」と評価。その上で「この機種はトラブルが続いており、構造、機構上の問題ではないかと思う。メーカーの品質管理に問題があるのではないか」と指摘した。

 ドキュメント

 8時09分 全日空1603便が大阪空港を出発
 8・21滑走路を離陸
 8・49 機長が「前輪が出ない」と報告
 9・17低空飛行し、前輪が出ていないのを地上から確認
 9・40高知空港長室に対策本部を設置
 9・44残燃料が3100ポンドに。手動で前輪を出そうと試みる。空港に化学消防車2台と給水車1台が待機
 9・45政府が首相官邸に情報連絡室を設置
 10・25ごろ着地時の衝撃で前輪を出すため滑走路への接地を試みたが、前輪が出ず上空に戻る
 10・54前輪が下りないまま胴体着陸
 11・10ごろ乗客が機外へ

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