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わずか七年で本家を大きく上回る規模に成長したYOSAKOIソーラン。祭りの急激な膨張の一方で、実は批判や懸念もまた膨らんでいる。札幌では、そうした祭りの問題点を指摘する声も随分聞いた。
その一つが商業主義への傾斜である。例えばことしの祭りには「YOSAKOIソーラン」のロゴが入ったTシャツやタオル、キーホルダーなど六十点以上の公式グッズが登場。祭り当日は、これらが会場に初めて設けられた公式ショップで販売された。
ほかにも有料桟敷席を導入したり、運営協力として踊り子に月刊機関紙の購読を求めたり、あの手この手で利益追求の姿勢は強まる一方。主催者は補助金、協賛金頼りから自主財源体質への脱皮を強調するが、学生の手づくりでスタートしただけに、「本来のものが失われてきた」と祭りの変質を嘆く声は多い。
祭りの生みの親で、顔でもあるYOSAKOIソーラン祭り組織委員会専務理事の長谷川岳さん(27)に対する毀誉褒貶(きよほうへん)も相半ばする。「よさこいとソーランを結びつけたアイデアは大変なもの。大通公園に銅像が立ってもいい」とまで評価する声がある一方で、独断専行との批判も強い。
例えば商標権。「YOSAKOIソーラン祭り」は商標登録されており、その商標権は長谷川さん個人が持っているのだ。
「いろんな所が祭りを商売に利用し、経済活動が活発になるのは歓迎すべきこと。商標登録自体は悪くないが、個人の商標権だから、彼が自由にさい配を振るっている。これでは将来必ず問題が起きる」
こう指摘するのは、組織委の前身である普及振興会の会長代行を昨年まで務め、運営の内側を知る平岸中央商店街振興組合の中井昭一理事長(63)。
これに対し、長谷川さんは「たまたま商標登録の申請者が私だっただけ。商標権は組織委に無償貸与している。まだ組織委が任意団体のためで、将来法人化すれば商標権は移すつもり」と過渡期であることを強調する。
いずれにせよ、ここまで祭りが大きくなると、運営態勢の整備が急務になってきた。普及振興会がことし組織委に衣替えして主催の中心となり、札幌商工会議所が前面に出て事務局にスタッフを送り込んだのも、そんな理由による。
「このままでは世間の不信を買いかねない。経済効果も多分に大きいものがあるし、ある程度商工会議所が応援しないと育たないという会頭判断です。企画演出から財政までほとんど彼一人でやっていたが、いいサポートがつけばもっと能力が発揮されるはず」と同会議所常務理事の向井慎一事務局長は話す。
その一方で、かつて祭りの主催団体だった学生たちの実行委員会は今や、メーンステージの運営など一部を任されるだけ。祭りの巨大化の半面、学生の影はますます薄くなっている。
元北海道副知事で札幌国際エアカーゴターミナル社長の佐竹土佐男さん(72)=高岡郡中土佐町出身=も、祭りの変質を案じている一人だ。
「商業主義になってきたのが残念です。よさこいは高知の代名詞。それを頭につけた祭りだけに、健全に育ってくれないと高知としてもうまくない。実はひやひやしながら見ているんですよ」
(社会部取材班)
【写真】公式グッズのTシャツなどが壁面を埋めるYOSAKOIソーランの事務局。祭りの商業主義化を象徴する光景だ(札幌市)
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