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ことしのYOSAKOIソーランで、前夜祭にあたるソーランナイトの大トリを務めたのは小中学生の踊り子たちだった。北海道礼文町の船泊中の全校生徒と、旭川市の末広北小六年生ら約百六十人。遠く離れた二つの学校が札幌の祭りで合流し、仲良く晴れ舞台を踏んだ。
二校が共演したのが「学校教材用YOSAKOIソーラン踊り」である。学校行事などで手軽にYOSAKOIソーランを楽しめるよう、オリジナルの音楽に統一の振り付けを施した普及版の踊り。主催者がことし、日本舞踊の家元に依頼してこしらえた。
両校はそのモデル校に選ばれ、それぞれ練習を積んできた。礼文島にある船泊中は全校生徒六十四人の学校。一昨年からまねごとで運動会に鳴子踊りを取り入れ、昨年の学校創立五十周年を機に本格的に取り組むようになったという。
「島には大勢の前で自分を表現できる場がない。今回、札幌でものおじせず表現できたのは大きかったと思います」と校長先生。
一方の末広北小は、六年生九十二人が修学旅行で祭りに参加した。体験型の旅行を模索していた昨年、学習発表会でやった鳴子通りが大当たり。この勢いで札幌へと盛り上がった。
担任の先生は「収穫どころか大豊作。人前に出るのを恥ずかしがっていた子が、何でもやってみると言いだしたり、心の変化が見えてきた。回を重ねるごとに踊りがどんどんうまくなるんです。ほんと、予想を超えた成長でした」と成果に舌を巻く。
こうした小中学校への働き掛けも、YOSAKOIソーランの特徴の一つといえる。企業チームから徴収した参加費を小中学校チームへの補助金にあてるなど、当初から積極的に祭りへの参加を促してきた。
ジュニア大会というのもある。深川市の廃校施設を舞台に七月下旬、初めての試みとして北空知YOSAKOIソーラン祭りジュニア大会が催され、小中学生の踊り子十六チーム七百五十人が一泊二日で交流を深めたという。
ことしのYOSAKOIソーランにも数多くの小中学生の姿があった。象徴的なのは稚内市の稚内南中。かつて校内暴力のあらしが吹き荒れ「日本一荒れた学校」といわれたが、郷土芸能部のソーラン節の踊りが日本民謡民舞大賞のグランプリに輝いたのが一つのきっかけになり、学校全体が再生した。
その経緯は「学び座―ソーランの歌が聞こえる」として映画化され、先日は高知市の西部中でも上映された。YOSAKOIソーランには学校教育の一環で参加しており、祭りの顔ともいえる常連チームの一つだ。
「ルール付けをきちんとし、うまく導けば、祭りはエネルギー発散の場としていじめや非行防止、親子の対話などに役立つんじゃないでしょうか」とYOSAKOIソーラン祭り組織委員会。ここでは祭りが教育の場として前向きに活用されている。
翻ってわがよさこい。学校教育とのかかわりでいうと、かつては祭りが非行の温床として白眼視されたこともあった。第四十回祭りの記念フォーラムで基調講演に立った東大の伊藤亜人教授は、さまざまな角度からよさこいを分析。課題の一つとして「学校が祭りに対して消極的、あるいは否定的であるように思いますね」と指摘した。
あれから五年。ことしも参加百二十二チームに、小中学校の名前をかぶせたチームは一つもない。
(社会部取材班)
【写真】平成5年の第2回YOSAKOIソーランで踊りを披露する稚内南中の生徒たち。祭りの顔の一つでもある(札幌市)
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