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北海道の日高地方に門別町という町がある。人口一万三千人余り。サラブレッドの育成が盛んで、名馬シンボリルドルフを生んだ町として知られる。
高知のよさこいに先駆けてきょう八月一日、この町は鳴子のリズム一色に染まっている、はずだ。というのも、ここが本日開催の第三回YOSAKOIソーラン祭り日高支部大会の会場になっているのである。
そもそも日高支部とは何か。支部長の酒井珠己子さん(46)の説明を聞こう。
「日高地方は全部で九町村あるんですが、実は北海道で初めて支庁管内の全町村に踊り子チームができた所なんです。互いに相談してまとまろうということで、三年前に支部をつくりました。全道で一番最初に設立された支部がここなんですよ」
同時に開催されるようになったのが祭りの支部大会。地元の祭りとタイアップする形で九町村の持ち回りで始まり、記念すべき第一回は一昨年七月に酒井さんが住む三石町で行われた。ことしは門別町の順番というわけだ。
この日高支部の結成を口火に、道内では各地に次々と支部やブロックが誕生した。その数十三。酒井さんは「今では日高が一番小さい支部になっちゃった。でも、うちがさきがけだよねって話してます」と笑う。
支部単位の祭りも、後を追うように各地に生まれている。広い北海道では、札幌まで踊りに行きたくても資金などの制約でなかなか行けないチームも多い。そんな踊り子にとっては、各地の支部大会が大きな励みになっているという。
「それに交流の場でもあります。共通の話題ができ、それまで知らなかった人たちと打ち解けて話ができるようになった。今は管内どこの町村に行っても顔見知りがいる。町おこしの大きなチャンスです」
ちなみに酒井さんは地元踊り子チーム「三石なるこ会」の会長でもある。同チームは一昨年、昨年と二年続けて本家のよさこい祭りに参加したから、ご存じの人も多いはず。今や地元では鳴子を持って踊ることに、だれも何の違和感も感じない、札幌以外の地方でも、今や祭りはそこまで浸透しているという。
一方で主催者側も、YOSAKOIソーランを札幌に限定せず、積極的に道内各地に広げる拡大政策を取ってきた。チームを立ち上げたいという要請に応じて各地に説明会に出掛けており、その数は年間百五十回、車の走行距離にして四万キロに及ぶという。
その結果、二百八十チームが参加したことしのYOSAKOIソーランには、道内二百十二市町村のうち実に百四十七市町村から計百六十チームの参加があった。札幌市内が百チームだから、今や地方からやってくるチームの方が格段に多いわけだ。
ここにも本家のよさこいとYOSAKOIソーランとの大きな違いがある。よさこい祭りは市民祭から県民祭への脱皮が叫ばれながら、現実は掛け声だけに終わってなかなか郡部への浸透が進まない。
ことしは百二十二チーム(ほかにゲスト二チーム)が参加を予定しているが、多くは高知市内のチーム。純粋に郡部からの参加となると数えるほどしかない。それが現実である。
(社会部取材班)
【写真】一昨年のよさこい祭りで踊りを披露する「三石なるこ会」。道内の支部結成の第1号となった(高知市役所)
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