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8月11日(金)・夕刊
あちこちで「よっちょれ」
第四十七回よさこい祭り三日目の十一日は、朝から絵にかいたような青空が広がる絶好の「よさこい日和」。踊り子隊も朝からエンジン全開で、福祉施設などをエネルギッシュに回った。
JR高知駅で歓光客出迎え 「さすが本場!」
JR四国連の出発式は例年通り、観光客の歓迎を兼ねて、高知市のJR高知駅で行われた。
運転士の踊り子が「暑さに負けず、楽しく、楽しく!」とげき。スカイブルーの法被姿の踊り子約百人が一斉に「シャンシャンシャン!」。
福家幸一駅長とJRキャンペーンレディを先頭に、地方車の演奏に乗って、コンコースへと繰り出した。
ホームには高松市、宿毛市からの特急が相次いで到着した。降り立った観光客は思いがけない歓迎に「ここで本場の踊りを見られるとは」。慌ててカメラを取り出す人も。
「ヨイヤサノサノサノ!」とコンコースに響く元気いっぱいの掛け声に、観光客は「駅長さんまで踊るなんて。さすが本場!」とにっこりしていた。
【写真】駅長も運転士も「ヨイヤサノサノサノ!」。本場の“よさこい”で観光客を歓迎するJR四国連(高知市のJR高知駅)
平和を祈願しパゴダ前で披露 関西地区大学連合
関西地区大学連合の踊り子三十人は十一日、高知市吸江の戦没者慰霊塔「高知平和パゴダ」前で鳴子踊りを披露し、平和と戦没者のめい福を祈った。
慰霊塔には、第二次大戦中にビルマ方面(現在のミャンマー)で戦死した本県出身者ら約三千二百人が祭られている。
同連合は七年前から踊りの奉納を続けている。慰霊塔に続く石段を踊りながら進み、戦没者の戦友や遺族ら十人が見守る中、慰霊塔の前で、約十分間踊った。
踊りが終わると、遺族でつくる高知パゴダ会の町田速雄会長が「時代は変わり、若者も変わったといわれるが、こうして毎年踊りに来てくれて本当にうれしい」とお礼を述べた。
【写真】慰霊塔の前で踊りを披露する関西地区大学連合(高知市吸江の高知平和パゴダ)
8月11日(金)・朝刊
太陽に届け 鳴子の響き 老若男女が”よさこい人”
ギラギラ太陽の下、お待ちかねの鳴子踊りの競演がスタートした第四十七回よさこい祭り。晴天が続く高知市付近は、十日も日中の最高気温が三二・一度まで上がり、真夏の祭典にふさわしい「よさこい日和」に恵まれた。同市内十カ所の競演場は、暑さに百四十四チーム約一万六千四百人の踊り子たちの熱気が加わって、むせ返るよう。焼け付くようなアスファルト上では若者が、お年寄りが、子どもたちが汗を振り絞り、それぞれの“よさこいの夏”を心に刻んだ。
【写真】群舞乱舞のよさこいの夏。息の合った踊り子たちが街を練り歩いた(帯屋町アーケード街)
お年寄りが奮闘
介護保険元年のことし、競演場では昨年に続いてお年寄りの奮闘が目に付いた。
初出場の「ダンシングZIZIBABA」は南国市の介護老人保健施設「夢の里」とケアハウス「つくしんぼ」、特別養護老人ホーム「陽だまりの里」が合体したチーム。昨年の祭りに登場した車いすチームに触発された「夢の里」の山本恵子施設長(51)が、お年寄りに参加を呼び掛けた。
リハーサルで初めて炎天下で踊ったところ、お年寄りからは「暑うてよう踊らん」の弱音も。しかし本番の追手筋本部競演場では、チーム責任者が「こんな顔見たことない」と驚くほどみんな満面の笑みで力いっぱい踊った。車いすの高齢者の頑張りに桟敷席から大きな声援が飛んだ。
参加二年目の先輩格「高知シニア」(高知市老人クラブ連合会)も健在。一回限りのつもりが、今年の「YOSAKOIソーラン祭り」で大歓迎を受け、再度出場することに。勢いをかって九日の前夜祭にも出場し、見事米子市長賞に輝いた。
昨年は「暑いき嫌」と渋っていたお年寄りも、「やっぱり踊った方が気持ちいい」。新しい輪も広がった。踊り子の一人、谷由賀雄さん(92)は「踊りよったら暑うないよ。若いもんには負けられん」。皆で周囲に高齢者パワーをおすそわけした。
元気いっぱい伊野商
パラパラやヒップホップの振りを織り交ぜた軽快な鳴子踊りを披露したのは、伊野商業高校踊り子隊。長いよさこいの歴史の中で、公立高校としては同校が初めての参加。国際観光科の三年生を中心に八十四人が若さいっぱいの乱舞を披露した。
国際観光科は日ごろから体験学習に重点を置き、国際理解や観光事業をテーマに学んでいる。「本県を代表する観光の目玉、よさこい祭りに実際に参加し、観光産業を肌で考えてみたい」という生徒の提案で参加が決まった。
「振り付けや法被のイメージも自分たちでアイデアを出し合いました。元気よく、若者らしい踊りを見せたい」と国際観光科三年、徳弘雄一さん(18)。担当の大原信男教諭(38)もやる気満々で「北海道のYOSAKOIソーラン祭りにも参加してみたい。伊野商の新しい取り組みとして定着させたい」と意気込む。
とかく祭りに背を向けていると評される県内の学校だが、同校がきっかけとなり、来年は学校単位の参加が増えるかも。
校区を越えて参加
だぼシャツと腹掛けスタイルで粋(いき)な踊りを披露したのは、高吾北と高幡地域の小学生でつくる「ちびっこよさこい」の百人。よさこいを通じて校区を越えた交流を図ろうと、県の県民提案事業の一環で初めて実現した。
窪川町や中土佐町、仁淀村など十一市町村の四−六年生が参加。地域が広いため、五班に分かれて個別に練習を重ねてきた。元気な“山の子”“海の子”ぶりを表現しようと、踊りには川での水泳や釣りのしぐさを織り交ぜた。
ただ、全員で練習できたのは一日しかなかったそうで、佐川町の斗賀野小六年、秋沢美希さん(11)は「地元の祭りと違って踊りがハード。みんなのリズムが合うかどうか…」とちょっぴり心配顔。
しかし本番では、ほぼ全員が息の合った踊りを披露し、引率した大人たちも一安心。子どもたちは「違う町や村の友達もできた。もっと踊りたい」と笑顔を見せていた。
全国の龍馬ファン“出陣”
高知市上町一丁目の坂本龍馬誕生地前で「龍馬先生の前から出陣じゃー」と雄たけびを上げたのは、初参加の「龍馬連」の面々。北は岩手から南は長崎まで、全国の龍馬ファン八十人がはせ参じた。
生粋の龍馬ファンの集まりだけあって、メンバーの三割が紋付きはかま姿の“龍馬ルック”。隊列の先頭には、発泡スチロールでできたかぶりもの「龍馬君」の姿も。
手作りの紋付きはかまに身を包み「もう気分は最高。来年も絶対来ますからね」と話すのは、東京龍馬会の木村佳奈さん(24)。スペアのはかまを四本用意する気合の入れようだ。
踊りはあくまで正調。愛する龍馬の古里で、大人から子どもまで、楽しく一体となって踊る姿が印象的だった。
三人娘はじける
よさこい史上最少の総勢三人の踊り子チームが登場した。土佐女子中高時代の同級生、岩村倫子さん(25)、西田七絵さん(24)、福井ひとみさん(25)でつくる「みちことななえとひとみちゃん」。
地方車は荷台にラジカセをくくり付けた自転車。衣装は幼児用浴衣をアレンジ。けなげに踊る三人の姿に、沿道の観客は「頑張れ」「見ゆうで」と大声で応援した。「いろんな人に声を掛けてもらって、私たち人気者みたい」と三人は満足げ。来年も三人での出場を希望しているが、「来年は踊り子の人数規定が厳しくなるみたい…」とぽつり。でも「今年最後の三人の夏をエンジョイします!」と元気いっぱい。
☆★☆ ☆★☆ 声、声、声 ☆★☆ ☆★☆
★「親子三代そろって氷を売ってます。今日は暑いき売れそうや。今風の踊りで全国から人が集まるのはえいこと。えいところは残しながら変わっていったらえい」=知寄町競演場で高知市孕西町、病院勤務、平野定さん(60)。
★「なんかうるさい…。疲れた。暑い。でもなんか面白い」=旭競演場で母親に抱かれていた高知市潮新町二丁目、楠瀬有香ちゃん(3つ)。競演開始から約五分後の感想。
★「よさこいは初めて。このまま八十八カ所巡りしたい。とりあえず竹林寺行こうか。でもこの格好じゃ暑いねー」=僧兵スタイルで刀を持ち、首から数珠を下げた鳥取県よさこい踊り子隊の玉田義典さん(62)。
★「すごくいいねー。リズムがジャマイカのカーニバルのカリブソングに似ています。みんな一つになって素晴らしいです。来年は出たいね」=知寄町競演場で見物するジャマイカ出身の高知商高外国語指導助手(ALT)、ショーンさん(28)。
★「高知出身やし、帰ってきたで。地方車の運転は、地元の友達に頼まれて喜んで引き受けた。子どものころを思いだしながら運転してるわ。車に飾りが付いて大きくなるから見えにくいけど、普段タンクローリーを運転してるし、ばっちりや」=上町競演場で出演の順番待ちの大阪府堺市、浜田善啓さん(36)。
★「自転車を考えなしに止めたり、踊り子もどこでも座る。もう少しマナーを考えて」=旭競演場で迷惑自転車を並べていた会社員(50)。
★「私一人間違えてます。鳴子も壊れて、しゃもじになりました。でも笑顔は負けません」=升形競演場で「セントラルグループ踊り子隊」の南国市後免町、小学校教諭、和泉明子さん(24)。
★「踊りたいけど、私にはもう無理。でも、踊り子がすごくおいしそうにお茶を飲むのでうれしい。三杯以上飲む人もおるんよ」=旭競演場で二十年近く飲み物接待所のボランティアを続ける高知市下島町、武市利子さん(76)。話の途中で踊り子たちが押し寄せ「お疲れさまー」を連発。
★「去年初めてよさこいを見て、今年は絶対踊りたかった。室戸市はチームがないから安芸市のチームに入ったんだよ。踊りは最高! でも暑いねー」=「安芸東陣」で踊った室戸市のALT、マリー・ウッドフォードさん(29)。踊った後、他チームに声援を送りながら。
★「『息が絶えてもかぶりものを脱ぐな』って言われてます」=マスコットのリスとなり、郵便局踊り子隊を盛り上げる高知中央郵便局保険課の直樹、英樹のご両人。愛宕町競演場で。
★「四年前から撮ってます。一度はまるとやめられませんねえ」=菜園場競演場で撮影中の大阪市天王寺区のプロカメラマン、須賀正人さん(35)。
★「アイスすくうの、しんどいー。あっ、あそこあそこ、男前おったー!」=梅ノ辻競演場で、アイスクリームを売りながら踊り子の“いい男観賞”をするフリーターの楠瀬絢子さん(19)と学生の藤岡美由紀さん(19)。
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