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2001年4月1日(日)<朝刊>
市川に大敗 2回2死から8点献上 打線不発3安打
高知 1−10 市川
| 高知 |
000 001 000 | 1 |
| 市川 |
081 000 01× | 10 |
第七日は三十一日、甲子園球場で3回戦を行い、高知は市川(山梨)に1−10で大敗し、ベスト8入りならなかった。尽誠学園(香川)は関西(岡山)に勝ち、関西創価(大阪)とともに準々決勝に進んだ。
高知は二回、無安打で得た一死一、二塁を生かせず、その裏、先発福山が二死から市川打線に捕まった。この回、市川依田の3点本塁打をはじめ5長短打など打者十一人で8点を奪われた。結局10失点。攻めては六回、土居の中前適時打で一矢報いたが、無四球の市川笠井の前にわずか3安打、11三振を喫した。
春夏を通じて初出場の関西創価は六回に2点を勝ち越し。七回にも3点を追加し、6−1で水戸商(茨城)に勝った。
尽誠学園は一回に2本塁打。3−1で関西(岡山)を下し、春は初のベスト8入り。
【評】高知にとって、思いもよらない二回二死からの8失点で勝負は決まった。普段は制球力のいい高知先発福山だが、バントの構えからコンパクトに振ってくる市川打線に、厳しいコースを突くよう強いられた。
二回二死二塁から、九番奥山に死球。続く若林にも四球を与えた。村松には甘い直球を左前打され2点を献上。高室に外のカーブをうまくセンター返しされ、中堅宮尾のダイビングも届かず、三塁打となり4−0。笠井にも中前打されて5失点。石原を四球で出した後、依田にカーブを左越え3ランされた。ほとんどの打者を2ストライクまで追い込んだが、最後の詰めが及ばなかった。
打線は右腕笠井のスライダーに空を切った。さらに、緩いカーブ、ストレートと緩急をつけられて、3安打で、11三振を喫した。。六回一死から、川村が外角高めを右越え三塁打を放ったのが初安打。二死後、土居が中前打して1点返したが、そこまで。相手エラーなどで、二、三回に好機があったが、生かせなかった。
救援甲藤は6奪三振、2四球と制球が良かった。しかし、打線の不振と大量点差はどうしようもなかった。(土居)
【写真】2回裏、市川に5点を奪われ、なお2死一、二塁のピンチに、ベンチから伝令が出てマウンドに集まる高知ナイン
まさかの連打に動揺 間の取り方後手に
「まさか…」。二回二死からの8失点。福山は打者を次々と2ストライクまで追い込むが、連続四死球と3連打で5点を奪われる。要注意の石原を四球で歩かした後、依田にカーブを左翼ポール際に3ランされ、降板した。
ランナーをため、甘く入った球を打たれた。4点目まで「まだ逆転できる」と、焦りのなかったナイン。これまで中盤以降に見せてきた、自分たちのバッティング。それに計算できる福山のピッチングを考えてのことだった。
捕手川村は2点目を取られ、「まだ大丈夫。ここから切ろうぜ」と声を掛けた。しかし、「福山に頼りすぎた。もっとタイムなどを取れば良かった」と振り返る。
一回の暴投後のピンチに野手がマウンドに集まり、福山をもり立てたのは良かった。しかし、二回は福山が経験したことのない序盤の5失点後、野手がマウンドへ。間の取り方が後手になった。二塁手長田は「投手はしんどかったろう。守備が声を掛けていれば…。そのままずるずる。ボーとなっていたかもしれない」。三塁手大迫も「自分の思ったことを伝えたかったが、どうしていいか分からないまま、8点取られていた」と悔やむ。
中村監督も「本塁打されるまでは代えるつもりはなかった」監督にもナインにも、「そんなはずはない。福山は必ず流れを切ってくれる」との、信頼感が強かった。それが、福山に声を掛けるタイミングを失わせ、気持ちを落ち着かせる機会を失わせた。気付くと、大量失点となっていた。
福山は「高めは打たれるのが分かっていたが、ブルペンで良かったので過信した。力んでしまった」と言う。三振や凡打で抑えようという気持ちが、コーナーを外し四死球になり、甘い球をはじかれた。
中村監督は「九番を追い込んでの死球が痛かった。ツーナッシングから、気負い過ぎた。それでも、本人が今持つものを出そうとしたし、点を取られたが頑張った」。背番号10のエースをいたわった。(土居)
【写真】<市川−高知>6回表高知2死三塁、土居が中前適時打を放ち一矢報いる。投手笠井、捕手村松
土居が唯一の打点
高知は、わずか3安打。唯一の打点を挙げた五番の土居は「力不足です」と唇をかんだ。
大会出場のため、兵庫入りしてから体調を崩した。3打点をマークした初戦の岡山学芸館戦の後も、夜は病院で過ごしたという。「チームに迷惑を掛けた」と、六回の適時打には気持ちもこもっていた。
甲子園では勝負強さを示し「チームの課題は分かっている。ミスをしたら負け」と夏へ目を向けていた。
甲藤「夏来たい」
「何で打たれるんだろう。あいつらしくなく四死球も出して」。甲藤は先発福山をレフトから見た。二回二死から8点目を奪われて、継投のマウンドへ。「ごめん、頼むぞ」と福山からボールを手渡された。
序盤、大差をつけられてのリリーフは甲藤にも予想外の展開だった。2失点したものの、球威ある直球に切れのよいカーブを交ぜ3安打、6奪三振。制球が課題だったが、本番では2四死球とよくリリーフした。
エースナンバーを着けるだけに、先発したい気持ちもあった。甲子園初マウンド。「納得した部分はあるけど、まだまだ。マウンドは投げやすかった。もう一度夏に来たい」と誓った。
大事にいき過ぎた
高知・中村敏彦監督の話 福山の調子は悪くなかったが、大事にいく気持ちが強すぎた。甲藤は良く投げた。打線は笠井投手のボール球のスライダーを振ってしまった。この試合も打線が振れだすのが遅すぎ。私の反省点です。
「よう頑張った!」 1500人、声からし応援
甲子園球場で三十一日行われた第七十三回選抜高校野球大会三回戦で、郷土代表の高知高校は山梨の市川高校に10−1で敗れた。予想外の大差となったが、スタンドでは生徒や関西在住の県出身者ら約千五百人が声をからして懸命の声援。試合終了のサイレンが鳴ると、「よう頑張った」と温かい拍手で選手をねぎらった。
高知からのバスは二回戦より増えて十六台。五百人を超す生徒や学校関係者が乗り込んだ。二回戦で長打性の大飛球を捕った宮尾真太郎選手の父、敏和さん(43)=宿毛市=は「試合の後、子供からの電話で勝って感動した様子が分かった。もう一丁いってほしい」と気合を入れる。
試合は二回裏、相手の集中打で一挙8点を失い劣勢に。消沈ムードを吹き飛ばせと、スタンドからは「まだ始まったばかり」「応援じゃ負けん」と元気な声が飛ぶ。先発の福山雄投手をリリーフした甲藤啓介投手が走者を背負う度に「ガンバレ、ガンバレ啓介」と大合唱が起こった。
六回表、三塁打の川村孝夫選手を土居弘和選手がタイムリーヒットで本塁に迎え入れると、生徒や野球部員らがメガホンや鳴子を打ち鳴らし笑顔がはじけた。
力強い演奏を続ける吹奏楽部の部長で土居選手のクラスメート、野村和美さんも「こんなに格好いい土居君を見るのは初めて」と大喜びした。
最終回、主将の長田陽介選手がヒットで出塁したものの、後続なく試合終了。応援席は皆がっくりと肩を落としたが、選手があいさつに来ると気を取り直し、「また夏に」「一回勝っちゅうき偉いぞ」と声を掛けていた。
【写真】反撃及ばず試合終了。がっくりと肩を落とす高知高校応援団(甲子園球場)
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