|
2001年3月16日(金)<朝刊>
強豪・岡山学芸館の打撃警戒 高知に気負いなし
強敵相手も、意外や余裕――第七十三回選抜高校野球大会(25日から11日間・甲子園)の組み合わせが十五日、決まった。高知の初戦の相手は強打の岡山学芸館。昨秋の中国地区1位校だが、四国3位校の高知ナインの反応は、くみしやすいとの見方。相手が決まったことで、気持ちも新たに練習に取り組んだ。
高知は前日まで期末試験。寝不足状態の上、この日は併設中学の卒業式も重なったことから、練習開始は正午すぎ。選手たちは、既に対戦相手を知ってグラウンドに集合した。
留守をあずかる浜口佳久コーチが、四十四選手を前に「不安はあるだろうが、がむしゃらにやるしかない」と気を引き締めると、「ウォーッス!」。一斉にグラウンドに散った。
練習メニューは、フリー打撃を一人80球と、いつもの二倍。シート打撃、ノック、ランニングと約七時間。球への感覚を取り戻すため、たっぷり汗を流した。
岡山学芸館とは、毎年のように練習試合をする間柄。選手に違和感はなく、二枚エースの一人、福山投手が「去年の春の練習試合でも、そんなに打たれてない。2点以内に抑えられるのでは。力も分かっているんで、どうにかなる」と言えば、もう一人の甲藤投手も「抑える自信はある。体や振りを実際に見てないので、どんなことになるかはその時になってみないと分からないが、うちらしい野球でとりあえず勝ちたい」と気負いはない。
また、主砲で捕手の土居副主将も、「相手が決まったことで、ダッシュ一本、ボール一球にも気合が入りますね」。中村監督が入手する予定の、岡山学芸館のビデオを心待ち。強打封じへ「睡眠時間を削って、やれることはやりたい」と意欲的だ。
十六日からは午前九時に練習開始。高知にいるうちはフルに体を動かして、甲子園入りしてから調整に入るという。
高知の今後の練習試合日程は、次の通り。
18日(高知高グラウンド)=池田、徳島工▼19日(香川・番の州球場)=多度津工▼21日(和歌山)=和歌山工
【写真】対戦相手が決まり、気持ちも新たに練習する高知ナイン(高知高グラウンド)
勝負どころで集中打
高知商の監督として春夏4度の甲子園経験を持ち、県民になじみある松浦徹監督。高知東を経て、岡山学芸館の監督に就任したのが一九九〇年。この後、県内で上位の実力を持つものの、あと一歩届かない年が続いた。岡山学芸館の春夏通じて初の甲子園は、松浦監督にとっては二十八年ぶりの晴れ舞台となる。
新チームは昨秋の県大会、中国大会で戦いながら成長した。中国大会では浜田、広陵、関西など強豪校相手に4試合連続二けた安打を記録して、合計28得点。特に準決勝の広陵戦で19安打して撃破したように、攻撃力がある。勝負どころでの集中打が持ち味だ。
公式戦のチーム打率は、3割5分6厘。逆らわずに打ち返すことを徹底し、打率3割を超える打者が七人。このうち4割を超えるのが俊足で二番の山室、四番岸本、六番上田。キーマンは3割後半の一番若竹で、中軸並みの強打者でもあり、俊足を生かして次の塁を狙ってくる。
犠打は少なく、高打率を背景にエンドランを多用。走塁センスが良く、盗塁も多い。気が抜けない打線だが、大味な攻めで勝ち上がった。中国大会決勝は県大会で大敗した関西にリベンジし、初出場で初優勝を果たした。
投手は右左二人ずつの四本柱。140キロ超の速球を持つ本来のエース右腕小林は、右ひじを痛め中国大会で登板できなかった。この窮地に主戦の役目を果たしたのが、技巧派の左腕池崎。速球は130キロ前後でスピードはないが、スリークオーターから繰り出す大きく曲がるカーブ、スライダー、チェンジアップと球種があり、低めに集めて打ち取る。打たれても連打につながることが少なく、中国大会では3試合を完投した。
2回戦は中堅手の右腕岸本が、倉吉東を被安打3に抑えて、初先発で初完投。捕手高橋の好リードも光った。登板はなかったが、一塁手の左腕青山も控えている。青山を除く三人の平均防御率は4.24。
守備は中国大会でもミスが目立ち、公式戦14試合で失策26と多い。しかし、決勝戦で4併殺するなど、鍛えられた一面も見せた。
練習試合が解禁となった十日以降、倉敷商などと3試合を行い、3連勝。中軸藤本はやや調子を落とすが、七番の高橋が5打席5安打と大当たりする試合もあった。上、下位打線がかみ合う、得意の攻撃パターンで調子づく。
若竹主将は「高知を想定してベストに持っていく。初戦で硬くなりミスしないよう心掛けたい」と話している。
【写真】初めての甲子園出場に、士気が高まる岡山学芸館ナイン。クロスプレーも真剣だ(岡山市西大寺の岡山学芸館高)
|