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2000年3月27日(月)<朝刊>
仮想亀井!平口、連日の代役
「ガァーン!」。金属音が両翼九十九メートルの三菱重工神戸球場に響き渡った。二十六日午後。フリー打撃前の飯野コーチ(33)の試し打ちの球が、百二十二メートル先のスコアボードを直撃したのだ。「何!? 当てたんか。よおっし!」。馬渕監督(44)の負けん気が目覚めた。素振りもせず打席入り。「追い風やろ。一発で入れたるわい」
◆未練たっぷり◆
割り当て練習は宿舎からバスで三十分の甲陽学院高。しかし、ここ二日間、一日二時間足らずの練習。この日も所定の三時間では運動不足。つてを頼って追加練習をした。
「あー低い。ライナーや」「ありゃー、上がりすぎた」。結局、馬渕監督は10スイングでフェンス越え2発。
「あいたたたっ。腰痛めてしもうた。息ができん」と、うずくまりつつも、「準備運動しとったら全部放り込んだのに」と未練たっぷり。
「少し緊張しますね。監督に思いっきり投げてみたい気もするけど」。投げた平口(へいぐち=新3年生=中村市生まれ、大阪のボーイズ出身)は、宿舎に帰り着いたバスを下りて、眠そうな表情でつぶやいた。
上宮太子戦決定から、ずっと一番手の打撃投手役だ。三木田、増田に次ぐチーム三番手投手。右腕で最速131キロ。制球があり、キレもあることから、「仮想亀井」に選ばれた。2メートル前から全力で投げる。体感速度は140キロ近い。
◆人生の思い出◆
二十ニ日の甲子園練習でもシート打撃に登板した。「あの45球は忘れられないですね。生きてきた中で最高の思い出です」
「抑えてみたい」「打たさなければ」。気持ちが交錯した。いきなり先頭の田山に右越え弾をくらう。「思い切り投げても大丈夫や」と吹っ切れた。会心の一投は松浦を空振りさせた時。「明徳の四番ですからね」
打撃練習で投手の三木田、増田に投げる時、最も気をつかうという。当てて取り返しのつかないことになれば、責任は重大だ。
「みんな、速球に慣れてきた。打てると思う。打てなかったら、それだけ亀井がすごいということでしょうね」
この日は打撃練習以外にも、マシンのシート打撃でもマウンドで守備。さらにレギュラー組の守備練習で、再び控え組に対して投げた。
「きょうは疲れました。でも、あと二日。次の四日市工の投手は左だから」
【写真】上宮太子エースの亀井の代役として明徳の打撃練習で投げ続ける平口剛=三菱重工神戸造船所二見工場野球場
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