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【評】試合は四回に決まった。高知は山下から打者13人で4四球、5安打を放ち10得点。2ランスクイズも決めるなど終始そつのない攻め。五回には8番三石の三塁打と四球、盗塁で一死二、三塁に代打新井がダメ押しの右前2点打。須工の市川裕、浅田両投手を攻めたてた。大会初先発となる森田は五回を球威ある真っすぐでピシャリ。最速140キロの直球を中心に無四球8奪三振と須工につけいるすきを与えなかった。
前2試合で17点をたたき出した須工打線も高め直球を振らされ2安打。四回の守り、先頭打者からの連続四球も含め4四球が痛かった。(青木)
魔の4回 継投実らず 須崎工
「頼む。抑えてくれ」。自分の代わりに、マウンドに立つ浅田の背中に、エース市川裕は心の中で祈った。三回までは打たれながらも、なんとかしのいだ。だが四回、力んで連続四球。置きにいった球をたたかれ1点先制された。
柳本監督は「予定より早いが、目先を変えよう」と浅田と交代させた。もっと楽な形で代えてやりたかったが「この回を3点ぐらいで切り抜けてくれ」と託した。そうはならなかった。
無死一、二塁。南部に打たれ2点目を失い、続く三石の二塁ゴロで3点目。だが、一死を取って少し落ち着いたかに見えた。
次の溝渕の打球が遊撃に回った市川裕の前に転がった。「走者を見て、打球から目を切ってしまいました」。球を落とした。これを境に不安と焦りが須崎工ナインに覆いかぶさってきた。
一死一、三塁、打順はトップに戻って大迫。2球目をスクイズした。球をつかんだ浅田の一塁送球が少し遅れた。一気に2人がかえった。走者はいなくなったが、ピンチは終わらなかった。四球と安打を繰り返し、さらに2点を失った。市川裕がマウンドに戻ったが、もう高知のペースだった。ゲームが壊れた魔の四回だった。
秋に高知に3―10で打ち負けた。柳本監督が大会前に「上を目指して」という“上”は高知を意識していたはずだ。冬から休みなしで練習して、打ち勝つチームに鍛え上げたはずだったが、「守っても攻めても精いっぱい。厳しかった」。シード校の壁は厚かった。
だが、14年前、ボール一つなかった須崎工に野球部が復活してから、ついに51年ぶりのベスト8。地元の好選手が集まりチームは確実に成長している。当時、監督だった植田部長は「やっと軌道に乗ってきている。これがスタートラインです」。
試合終了後、柳本監督は選手に「どん底から、もういっぺんやるぞ!」と気合を入れた。また“上”を目指して、練習づけの日々が始まる。(宇田)
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