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2002夏の高校野球 県大会戦評

―第4日―   2002年7月23日(火)

 23日、高知、春野両球場で2回戦の残り6試合を行い、8強が出そろった。

 シード校の高知と室戸は順当に勝ち上がった。高知は福本の右越え2ランなど長打6本で攻勢。投げても福本が6回無失点で高知西に7―0、七回コールドで地力勝ちした。室戸は、バントや足を絡めた攻撃で一―三回に毎回得点。投げては細松、戎井の2枚の左腕が西土佐を抑えて、高知同様に7―0、七回コールド勝ちした。

 土佐―追手前は、木下、山崎両エースが得点を許さない投手戦。九回裏、追手前は藤沢の右翼線二塁打を足掛かりに無死満塁と攻め立て、奥崎の左犠飛でサヨナラ勝ちした。小津―中村は、小津が四回までに活発な打線と中村内野の乱れで5点先行。中根の粘りの投球と2併殺の守りで中村の反撃を1点だけに抑えて勝った。小津は8年ぶりの8強。

 高知商は窪川に一度は1―1の同点とされたが、不安定な窪川投手陣と守備をついて四、五回で計8安打9点で突き放し、七回コールドに持ち込んだ。須崎工は12安打を放って高岡に10―0、五回コールドの圧勝。須崎工は51年ぶりの8強入りを果たした。

 第5日は24日、春野球場で別表の準々決勝2試合を行う。

▽2回戦

(高知球場)
西 土 佐 0−7 室  戸
西 土 佐 000 000 0
室  戸 221 010 1X
(7回コールド)

 【評】盗塁にバントを絡めて適時打を呼び込む。室戸の攻めは理想的だった。一回、死球の乾が盗塁を決めたあと、安岡が送りバントで一死三塁。テンポの良い攻めが、植田の一塁後方に落ちる幸運な二塁打と岡田の中前打に結びついた。二回、乾の2点二塁打の前にも西河が送りバント。岡田、阿野田の連打で挙げた七回を除く6点に犠打、盗塁が絡んでいる。

 西土佐は細松、戎井両サウスポーの前に10三振。一、二回と続けて一死二塁の場面をつくったが後続が力負け。高橋の2安打だけに終わった。(土橋)


(高知球場)
土  佐 0−1 追 手 前
土  佐 000 000 000
追 手 前 000 000 001X
      

 【評】追手前・山崎の快投が1点差の勝利を支えた。直球をはじめ、どの球種にも切れがあり10奪三振3安打完封。毎回の先頭打者はすべて抑え攻撃の芽を摘み取る守りのリズムが、そのまま打線の好調を呼んだ。しかし、9安打を放つもタイムリーが出ず八回まで0行進。九回7番藤沢の右翼線二塁打と野選などで無死満塁。奥崎の左犠飛で三塁走者藤沢が好走塁でサヨナラの生還。試合を決めた。

 土佐は九回に四死球絡みのチャンスをつくるも打線が沈黙。再三のピンチに粘りの投球で八回まで零封の木下を援護できなかった。(青木)

 土佐・エース木下 初めて泣いた最後の夏

 かげろうの立つマウンド。右手を離れた137球目。外角の真っすぐが外野に運ばれたとき、土佐のエース木下の夏は終わった。

 立ち上がりはこれまでで一番悪かった。思ったところへ球がいかず、カーブも曲がらなかった。毎回のように得点圏に走者を背負った苦しい投球。だが、いつも通りのポーカーフェース。淡々と、しかし粘り強く投げた。

 好投の追手前山崎との投げ合い。0―0で迎えた九回裏、先頭打者を追い込んだ。カウントはツーワン。捕手の岩本はつり球のサイン。珍しく首を振った。九回表の満塁のチャンスが実らず、動かない表情の奥に焦りがあったのかもしれない。勝負を急ぎすぎたのかもしれない。二塁打を浴びた。内野安打、野選で無死満塁。流れは傾いた。左翼へ飛球が上がったとき「浅い。本塁で刺せる」。もう次の球を何にするか考えていた。だが、三塁走者は好スタートでタッチアップ。サヨナラ負けだった。

 素質に恵まれた選手ではなかった。1年前は球速120キロ台。ランニングをすればチームでビリ。だがチーム一の努力家は、つらそうな顔一つ見せず練習を黙々とこなした。最終学年にエースになることを目指し、ひたすら走り込んだ。成果は確実に現れた。球速が130キロ台に上がった。ランニングのほうも、野球部対抗駅伝で区間賞を取った。努力で手に入れた背番号1だった。

 わずか1点。最少得点で敗れたが、「打たれたせいで、守りから打撃へのリズムをつくれなかった」と自分を責めた。スタンドに礼をして、ダッグアウト裏の通路から球場の外へ出た。そこで、両手をひざにつき地面に向かって、これまで弱音も吐かず、涙も見せなかった木下が、初めて泣いた。(宇田)


(高知球場)
高 知 西 0−7 高  知
高 知 西 000 000 0
高  知 202 021 ×
(7回コールド)

 【評】計9安打中、6本まで長打の高知だが、打力そのものよりもバットコントロールが光った。一回、先制打の明神、適時二塁打の山下とも外角球が生命線の高知西池上に対して右方向へ巧みに打った。集中すると実力が出る。流れを取り込んだ三、五回は福本のバットできっちり追加点。五回の右越え弾は会心の当たりで、故障からの復調を示した。投げてもカーブの切れがよく、6回を8奪三振、散発3安打無得点に抑えた。

 西は初回いきなり岡が右中間三塁打したが無得点。以後も、出した走者を動かして攻めるなど打線をつなげる仕掛けがほしかった。(堀見)


(春野球場)
高  岡 0−10 須 崎 工
高  岡 000 00
須崎工 422 02X10
(5回コールド)

 【評】須崎工が持ち前の機動力で大量点。5回コールドで盗塁は9個。圧巻は二回、9番西森が1番森岡の初球で二盗を決めたのを皮切りに、走者に当たる遊ゴロで一塁に残った森岡が走り、2番谷本の左前打で生還、以後谷本、市川裕、上野と連続5人が出塁、直後に二塁を陥れた。先発森岡は直球こそ走らなかったものの丁寧な投球で4回を2安打無失点。浅田とのリレーでエース市川裕を温存できたのが大きい。

 高岡は序盤に制球の定まらない須崎工森岡に淡泊な攻撃が目に付いた。じっくり見て四球を選べば違った展開もあった。(井上)


(春野球場)
窪  川 1−10 高 知 商
窪  川 000 100 0
高 知 商 100 540 ×10
(7回コールド)

 【評】序盤の高知商は乗り切れなかった。一回に暴投で先制したが、続く無死満塁は投ゴロ併殺。二、三回の得点圏でも一本が出ない。悪いリズムが投手にも伝染。四回に追い付かれた。だが、その裏に2年生4番岡村が湿りがちな打線に火をつける。暴投で勝ち越した一死二、三塁で初球を左中間二塁打。中川の三塁打も呼んだ。五回も岡村、中川、小松が第1ストライクを連続適時打。2試合連続無失策の守りは安定感がある。

 窪川は四回に久保田の二塁打で同点。各打者の思い切り良い振りが光った。1年左腕佐々木も必死に粘ったが、中盤につかまった。(早崎)


(春野球場)
小  津 5−1 中  村
小  津 022 100 000
中  村 000 010 000
     

 【評】小津はエース中根が連投の疲れを感じさせない6安打1失点の快投。山本の好リードもあり、伸びのある直球とチェンジアップで打者のタイミングをうまく外した。打線は二回に四球と7番藤本の二塁打で二死二、三塁とし、9番高石の二ゴロが失策となる間に一気に2人が生還。三回も二死満塁から藤本の左前打で2点を追加。流れを大きく引き寄せた。

 中村は序盤の守りのミスに加え、主軸がブレーキ。六回、2安打と死球で無死満塁としながら3―5番が相次いで倒れ、反撃ムードに水を差した。(井上)


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